DEL MKIII C と 日野プロトタイプ

 1966年8月14日に行われた全日本ドライバー選手権第3戦に日野自動車は、本格的なグループ6プロトタイプカー“日野スポーツプロトタイプ”をデビューさせ、見事、当時の最先端のスポーツカー“ポルシェ906”、1965年度のFIAマニファクチャラーズチャンピオンシップ スポーツカー部門のチャンピオンカー“デイトナ・コブラ”に次いでの3位入賞という殊勲を打ち立てたのです。そのマシンは、1965年東京モーターショーに出品され、プリンスR380と共に注目された“日野GTプロトタイプ”を実戦的に改良を加え、当時のフォードGT40のような戦闘的なスタイルとなっていました。そして、そのマシンに積まれていたエンジンは、日野がレース用に開発した本格的なDOHC直列4気筒 "YE28"でした。
YE28エンジンは、コンテッサ1300を基本にしたもので、右に5度傾けられて、水冷4気筒、DOHC、ダブル・イグニッション方式が採用されています。排気量は、1273cc、圧縮比10,5 : 1。ウェーバーの45DCOEディアル・バレル・キャブレターを連装して、最高出力100ps以上/7500rpm、最大トルク11,7kgm/6000rpmの性能を発揮すると正式発表されました。


TOP : 1966' HINO SPORT PROTOTYPE with YE28 engine L4 DOHC 1273cc.
*YE28エンジンについての説明は、AUTO SPORT誌(1966年10月号)より引用活用させて頂きました。
 日野スポーツプロトタイプ登場と時を同じくして、デル・レーシングに吉報が届くことになります。船橋サーキットで開催されたゴールデン・ビーチ・トロフィーレースに優勝するなど躍進目まぐるしいDEL MKIII CONTESSAに、この日野プロトのDOHCのエンジンが搭載されたのです。正式車名は、DEL MKIII C となりました。

 上の画像は、AUTO SPORT誌1966年10月号に掲載された“YE28”エンジンを搭載したデル・コンテッサの特集ページです。
まさにデル・コンテッサにYE28エンジンが搭載された写真が載っています。しかし、ここに謎が潜むのです・・・・。
このAUTO SPORT誌に書かれている文章を少々紹介させて頂きます。

「日本で初めての市販フォーミュラ、デルMKIIIをつくったデル・レーシング・カンパニーが日野自動車新開発のダブルOHCエンジン搭載の意欲作“デル・コンテッサIIIC”を9月4日のゴールデンビーチ・トロフィーに登場させた。
〜中略〜
デビュー戦のゴールデンビーチ・トロフィーでは、3.1kmコースを1分57秒の好ラップタイムで2位のスターティング・ポジションを得ながら、フェールポンプが作動せずノンスタート。実戦での実力のほどを公開するにはいたらなかった。」 

 実は、予選終了後に大変な事件が起こっていたのです。その事件については、ぜひ「創造の軌跡」でご確認ください。


TOP : DEL MKIII C CONTESSA 1300 DOHC in 1966' JapanGP.
Driven by Jyoji Katsu.

 さて、この続きは、PART 2までお待ちください。ご期待ください!!

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Special thanks Shingo Shiozawa.