Alpine-RenaultM65 

 アルピーヌがル・マンに本格的参加を始めたのは1963年からでありました。
その時のマシンはあの栄光のA110のプロトタイプ“アルピーヌ・ベルリネッタ”のフレームを基本としたマルチスペースフレームを持つ“M63”でした。M63は、996ccDOHC直列4気筒に改造したゴルディーニエンジンを持つアンダー1000ccでは当時最強のマシンと言われていました。
しかし、初年度のル・マンではリタイヤ、クラッシュなど散々な成績に終わってしまいました。
翌1964年では全てにおいて新設計のプロトタイプ “M64”が登場。エンジンもゴルディーニチューンの1001cc,1108cc,1149ccの3種類をそれぞれ搭載し、ル・マンでは総合17位、熱効率賞1位を獲得するという参戦2年目にして早くも耐久性のアルピーヌを強烈にアピールしました。
さらにミュルサンヌのストレート(昔はこのように呼んでいた)では小排気量ながら240Km/hを記録し周囲を驚かせ、空力の必要性を一早く証明して見せるのでした。
そして向かえた1965年。恒例のル・マン テストディにおいてアルピーヌは前年の“M64”をさらに改造した“M65”が登場。エンジンは、1149ccのゴルディーニチューンDOHCでしたが、テストディ中は不調で同じく参加していたM64が主にトップタイムを出していました。そして本戦では、ゴルディーニ最大の排気量1296ccにボアアップさせたエンジンを持つM65が登場するも全車リタイヤに終わってしまうのですが、この時代に100pc/1000ccを達成させているアルピーヌには正直驚いてしまいます。
ところで、このM65の最大の特徴は、CDプジョーと共に初めてロングテールボディを採用したことではないでしょうか。さらに流れるようなテールには魚の背鰭を彷彿させてしまう垂直フィンを備えています。これは、長いミュルサンヌストレートに対処した結果だと言えるでしょう。
このM65すなわち“A210”は、その後1967年までアルピーヌの主力マシンとして活躍後、1968年ゴルディーニV8 3000ccエンジン搭載の“A211”および“A220”に引き継がれその輝かしい戦績にピリオドを打つのでありました。


TOP: The very sleek Alpine-RenaultM65, with a 1150cc twin-cam engine, averaged better than 119 mph !!

TOP: The most remarkable achievement being scored by the little Alpine-Renault.

TOP: Large fins made their appearance on the rear of the Renault-powered special. 

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(C) Text report, photographs and modeling by Hirofumi Makino.