再現企画
杉崎 英明 氏が53年前に作った
合体“ニッサンR380II”を真似して作ってみよう!!

 
 1967年当時のモデルカー製作において、今のように原型からレジンボディを作ったり、最新の技術では3Dプリンターを利用して作ってしまうようなことは考えられず、唯一バルサ材を使って作ることやバキューム方式を使ったクリヤーボディを作ることなどが主な製作方法であった。そんな中、杉崎氏が考え出したのが今回のプラボディ合体製作であった。
 なんとタミヤ製キングコブラのフロント部分と同社のポルシェカレラ6のリア部をくっつけてみようという大胆な発想である。
この方式は、作りたいものにどれだけ近い雰囲気を出すか問題だが、雰囲気重視の杉崎氏の魔術にかかってしまうと「なんとなく似ているなぁ!」という感じになるから不思議だ。
 

 今回、作例通りに製作進めるのがポイントであるのだが、当時と現在ではパテ1つとっても使い勝手に格段の違いがあったり、当時はレジンもそれこそ3Dプランターなんて考えもつかなかったことで、せめてバルサを使ったボディ製作が一般的だったように思う。 そんな中、ハードボディを2つ使って1つのものを作ってしまおう! という発想は素晴らしい夢があるものだったと思うし、当時小中学生だった私たちもこれだったら作れるのではないだろうか…と思ってしまうところがあった。
 しかし、いざ作ろうとするとこれはこれで難しい。 今回再現製作をしていても独特なR380のリアグリルなどは半田を使った高度な技術を必要とするもので大人になっても上手く出来そうにない。
 杉崎氏は誌上で
フロントがちょっと気になるが、キングコブラが似ているのでカレラ6のリアとトップを合体させて流れるようなラインを作ってみました」と述べている。特に改造した個所はなく、リアホイールアーチを狭めることと、いらない穴や元のスジボリを埋めるなどにとどめている。 これはモデル・スピードライフ誌の読者層を意識して簡略にしたといった方が良いのかもしれない。

 というわけで、再現製作を進めていたのだが、どうも杉崎氏同様フロントの形状があまり似ていない。ライトカバーなどの大きさを変えるのは本意ではないのでそれ以外のところに少し手を入れてみた。
 キングコブラのノーズ周りは少しR380IIに比べて上下の厚みが足らないように思ったので、2mm厚プラバンとポリパテで膨らませてみた。 わずかな改造だが気持ち似てきたように感じたのは気のせいだろうか?!
 




次にタミヤ製カレラ6のリアホイールアーチが少し大きいので作例通りにプラバン等で30mm径
に縮小加工をする。さらに作例コメントには書かれていなかったのだが、両サイドエアーインテーク
の形状とインテーク直前のボディラインが実車も作例もフラットにパテ埋めされていることがわかった
ので今回もパテで改造してみることにした。

 



 下記の比較により杉崎氏の作例に付いても雑誌上では詳しく書かれていないにもかかわらずやはりモデラー魂をそそられたのか細かいところに実車再現への拘りを感じることが出来る。エアーインテーク直前のボディ形状も杉崎氏はちゃんと実車に近いフラット面をパテで再現している。しかし、作例のコメントには細かくは書かれていなかった。そして、フロント先端のエアーインテークを貫通させ、R380IIの特徴となる両端に縦のスリットを入れる。さらにフロントボンネット両サイドにあるミラーとフェールキャップの位置を決めて、穴を開けることなど細かいコメントが記載されていないものも多いので注意が必要である。
 元々モデル・スピードライフ誌の作例には「作れるものなら作ってみろ!」的なものが沢山あるのでこれはこれで面白い企画ページではあったと思う。
 ということでこれからが大変でボディ病面を綺麗に仕上がる作業が待っている。 そして、リアグリルも・・・・・
 
 
 ボディの修正する前に、この合体R380IIのシャーシをどうするかであるが、作例では特にこのシャーシとかのコメントはない。
そうかといって現代のシャーシを装着するのはどうかと思うので、今回友人の方にタミヤD型シャーシをお借りすることにした。
 シャーシが決まるとドライバーシートの形式も決まる。D型シャーシがサイドワインダーシャーシであっても全身フィギュアを入れられるスペースはこのボディではないし、D型シャーシはビスなどの突起物があるので無理な話である。
ただ、上げ底のドライバーシート(昔流にいえば、黒いラシャ紙を折って使用)では、面白くないので、同じ時期に発売されていたクライマックス製プラバンバキュームドライバーシートの肘上ドライバーをラシャ紙の上に置いて使おうかと思っている。

 合体モデルの"Nissan R380II"の完成は、作者の都合で製作進行が大幅に遅れてしまっている関係でボディ最後の仕上げとリアエンドグリルの製作などは「モデル・スピードライフリターンズ 第2号」でということにさせていただく。
 どうぞお楽しみに!!
 

 
TOP : Tamiya's original flame Dtype & speed wheels.
「モデル・スピードライフリターンズ 第2号」へ続く
SEE YOU NEXT TIME !!

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