日本モータースポーツ界の重鎮 細谷四方洋氏が物申す!!
 2010年9月26日号「ベストカー」誌に掲載された元チームトヨタ キャプテン 細谷四方洋氏のコメントを特別掲載しました。
 第1回日本グランプリにパブリカで出場し3位入賞、その後「チームトヨタ」のキャプテンとして日本グランプリを始め、数々の代表的な国際・国内レースに参戦。その活躍と同時にトヨタ2000GTを始め、多くのトヨタ市販車開発にも携わった。
そんなトヨタモータースポーツの大先輩である細谷四方洋氏が、最近のトヨタのモータースポーツに対して将来の期待を込め一言物申すということで「ベストカー」誌にコメントを掲載されましたのでその内容を引用活用させて頂きながら御紹介したいと思います。
 
 トヨタチーム最古参 “細谷四方洋”(72)

 トヨタは温故知新という考え方がまったくわかっていない。トヨタは2002年から2009年までの8年間F1に参戦したが、そのあいだ1勝もできなかったし、そこから市販車にフィードバックすべき技術もほとんど学ぶ事が出来ていない。
 8年間といえば、トヨタ自動車が1963年の第1回日本グランプリに28馬力のパブリカで出てから、70年に中止となった日本グランプリに出場するために開発した1000馬力のトヨタ7までと同じ期間です。
 かつて僕たち「チームトヨタ」がモータースポーツを通じてトヨタという会社や、トヨタ車そのものにもたらした技術的なイノベーションは大変大きなものだったと自負しています。
 しかしトヨタはそうした過去の功績を現代に生かそうとしてません。F1はどうすればいいのか、そういうことを僕たちに聞きにこない。OBの声にもっと耳を傾けなさい。
 それからもう1点。いま若い人たちにスポーツモデルが売れないと言うけれども、それは当たり前です。走って楽しい安いクルマがないんですから。
 安くて乗って楽しく、競技にも出られるようなクルマがあれば売れます。そういうクルマに乗った若者はずっとクルマが好きでいてくれるでしょう。なぜメーカーはそういうクルマを作ってくれないのか。
 エンジンは1リッターくらいで構わない。専用設計のシャシーとミッションを開発すれば、軽くていいものができるでしょう。短期的に採算をとるのは難しいかもしれませんが、10年作れば元は取れるはずです。


TOP :  Published in "BEST CAR" MAGAGINE.
In Sep 26, 2010


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(C) Text report by Shihomi Hosoya.

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