バッテリー3(バッテリーの用途・違いと管理-サブバッテリーには)

バッテリーの充電、充電制御につきましてはバッテリー1,2で説明致しましたがここでは1,2合わせてバッテリーの用途・違いと管理について簡単に説明致します。バッテリー(鉛蓄電池)の種類として大きく別けると開放型バッテリーと密閉型バッテリーに別れますが使用用途ではフロートユースとサイクルユースに別れます。

フロートユース・・・常時満充電状態で使用

          自動車バッテリーのようにエンジン始動後はバッテリーが満充電に近くに常充電される。

サイクルユース・・・満充電状態から放電をして一定放電後、再充電を行う事をくり返す使用

          電動カート、電動ホークリフト、電気自動車など昼間使用して夜間に充電する。

同一条件下でフロートユース用として使用されている一般自動車バッテリーとサイクルユース用として使用されているバッテリーを充放電くり返しさせると自動車用バッテリーでは150回程度で一定容量以下(本来80Ahの容量がくり返し放電させられる事により60Ah程度になるといった容量の変化)なるのに対してサイクルユース用バッテリーでは600回程度の放電の繰り返しまで可能と大きな差が出ます。自動車バッテリーでは放電をくり返す事にバッテリーの容量が低下するのに対してサイクルユースバッテリーはある一定回数まではほとんど容量の低下は見られず容量の低下も緩やかです。しかしバッテリーは放電の深さによりバッテリー寿命に違いがでます。サイクルユースバッテリーでもその使用方法によってはバッテリー容量の70%放電で500回程度くり返し使用出来る物でも100%放電では200回程度に低下してしまいます。
サブバッテリーとしての使用方法は車輌のエンジンが停止した状態で使用することを目的にしていますので使用方法としてはサイクルユースとなります。したがってサイクルユースのバッテリーがサブバッテリーに適していると言う事になりますが必ずしもサイクルユース用のバッテリーでなければならと言う訳ではありません。その理由として一つ目にはサイクルユースバッテリーはフロートユース用の一般自動車バッテリーよりも高価です。キャンプなどで頻繁に深い放電をくり返す使用方法でなければバッテリー管理さえ気を付ければ一般自動車バッテリーでも十分な寿命と働きをしてくれます。二つ目にはサイクルユースバッテリーのほとんどが専用充電器での充電が必要となります。一般に100%放電何百回しても大丈夫と言われるディープサイクルバッテリーもサイクルユースバッテリーを強化したものです。サイクルユースバッテリーの多くは本来のバッテリー容量までに充電し性能を維持するためには充電電圧を15〜16V程度必要とします。もちろん一般に販売されている充電器(14.5V程度)でも充電は可能ですが充電電圧が低いためそのままの充電状態では本来のバッテリー容量の70〜80%程度の充電しか出来ません。
走行充電として考えた場合オルターネーターの発電電圧は14.2〜14.5V程度であり走行条件によっては発電量も大きく変化しますのでさらに充電条件は厳しくなります。ディープサイクルバッテリーで100%放電をくり返しされた場合など本来の性能を維持するためには定期的に専用充電器で均等充電をする必要もあります。一般自動車バッテリーとディープサイクルバッテリーをサブバッテリーに使用するとして比較した場合、過放電に強いのはディープサイクルバッテリーですが走行充電においては一般自動車バッテリーの方が良好な充電が出来る事となります。したがって必ずしも一般自動車バッテリーが適していないとは言えません。バッテリーはその管理次第では本来のバッテリー性能、バッテリー寿命を有効に使えきれない事にもなりますから使用用途に合わせた選択をお薦めします。(サウスロング)



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