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■ お母さん体験記 ■

 

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「まさか?うちの子!?」と不安を感じたのは、彼が1歳7か月の時でした。母親の欲目と「個人差」だと思っていた彼の行動が「ちょっと変?」と感じ、保育士をしていた友人に話したところ、「やっぱりそう感じるところがある?」と言われました。そして、恐る恐る小児科学の本を見てみました。言葉が出ない・名前を呼んでも振り返らない・視線が合わない・後追いしない・母親の姿が見えなくても探そうとしない・バイバイをしない・人の言うことがわからない・くるくる回りだす・自分の要求は母親の手を引く(クレーン現象という)など、彼の行動が自閉症の症状といわれているものにあまりにも合致するものが多いこと・・・・その日のショックといったら、言葉では言い表せませんでした。そして数週間後の1歳6か月の検診までの間、「自責の念に駆られ、それでも自閉症なんかじゃないと否定し、でも彼の行動を見てはやっぱりとあきらめ、先のことなど考えられず、現実逃避」をする毎日でした。

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検診後、児童相談所に行くように言われ、そこで発達テストを受け、「自閉傾向が見られるが、まだ発達の途中なので経過を見ましょう」という診断を受けました。「デイサービスを利用して集団で療育しているところに通園させてみては」と言われ、いくつかの通園施設を紹介されました。そのひとつが「ぽぽろ」でした。運良く入所させてもらうことができ、彼の初めての集団生活が始まりました。自分で言うのもなんですが、不安を感じてから2か月、情報という情報をインターネットや友人知人から集め、検診、児童相談所、病院検診、作業療法、施設見学など、やれることはすべて?かどうかはわかりませんが、自分の最大限の力を出し切ったような気がします。「子どものためなら親ってこんなに力が出せるんだなー」って感心しました。この2か月は彼のことを受容し、今後の見通しをつけるのに大切な時期だったと思います。そして、彼の本当の意味での親になれたような気がしています。

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彼の「ぽぽろ」での集団生活も1年を迎えようとしています。今でこそ楽しそうに通園していますが、最初の数か月は泣いてばかりのようでした。(でも、母親として後追いして泣いていることは、かわいそうな反面、うれしかったりもしました。)自閉傾向の子どもによく見られる睡眠リズムの乱れも「早寝早起き」の生活でなくなり、苦手だった葉物の野菜やスイカ、メロンなどもよく食べるようになりました。昼間のオムツはすっかりとれ、排尿排便のコントロールもついてきました。言葉はまだ出ませんが、人とのかかわりを楽しいと感じています。いい顔でたくさん笑います。すごくゆっくりですが、一歩一歩確実に成長発達していることを実感しています。そして、親バカは承知のうえで、うちの子はなんてかわいいんだろうとますます感じる今日この頃です。

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彼本人の成長発達する能力・努力、集団生活が持つ影響力、先生方の努力、両親の努力、いろいろな要素がよい方向に働いているのだと思います。まだまだ不安や悩みはつきませんが(今でも現実逃避したくなることはあります)、あまりくよくよせず前向きに進んでいきたいと思います。

【記事の日付:2002年10月11日】

【記事の著者:T・Y(イニシャル表記)】

 

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