カラープリントに必要な機材

●引伸し用の構材

◇引伸機
カラーヘッド付きの引伸機があれば、フィルター操作がたいへんにやりやすい。しかし普通の黒白用でも、カラープリント用フィルター(CPフィルター)を使って十分質のよいカラープリントができる。フィルターポケットのあるものは、そのポケット(引き出し)にフィルタ−を挿入すればよいし、なくてもランプハウスを開けてCPフィルターをコンデンサーの上に置いて作業すればよい。なお引伸機によってはランプハウスの部分、あるいはネガキャリアの挿入部から光漏れがある。これは印画紙をカプラぜるので、暗黒にして引伸機を点灯してみて光漏れがある場合には、漏れないように工夫することが大切である。また壁面からの反射にも気を付けたい。カラーペーパーは、けっこう感痩が高くカプリやすいものである。

◇引伸タイマー
一定時間の正確な露光を与えるためには、必ず必要になる用具。露光時間が不安定では、けっしてよいプリントは期待できない。

◇引伸露光用テスター
RW方式でプリントする場合は、できるだけ八ンザ引伸露光計(ストライプテスター=近江屋写真用品発売)を用意してほしい。なお通常のように、黒いボードをずらしながら段階露光をかけてもよいが、正確な段階焼きを行うこと。

◇CP(カラープリント用)フィルター
色の三原色に相当するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のアセテートフィルター。ひじょうに色の淡い025から、10、20、40、70、100といった高濃度のものまでが発売されている。
カラーへッド付き引伸機があれぱ必要ないとはいえ、プリントの色の良し悪しを検討したりするために用意し判定用にはコダックビューイングフィルターがある。黒白引伸機に挿入して使う場合にはフジ、コニカ、コダックなどの4X5インチサイズ(使用する引伸機のコンデンサー全体をカパーする大きさ)が必要になる。

●密着焼きの用具
◇コンタクトプリンター
コンタクト(ベタ焼き)は、透明なネガケースに入れたまま印画紙の上に厚手ガラス(10X12インチサイズ)で圧着するのが、ネガを傷つける心配もなく手っ取り早い。ただ印画紙は10X12サイズが必要だ。

8X10印画紙を使うなら、プリンターにセットする。

●カラーペーパーと薬品

◇印画紙
カラーペーパーはカラーフィルムと同じよ一つな発色剤を倉んだ感光乳剤が塗ってあるので、一般のカラーネガからプリントするときはネガ用のカラーペーパーを用意する。厳密にはメー力−によって、微妙に発色が違うが大差はなく、どこの製品でもすべてのネガからプリントできる。サイズはキヤピネ、8X10、10X12、14X17、18X22インチなどがある。最初は小さいサイズからと思うかも知れないが、プリントでは必ずコンタクトをとる必要があるので、少なくとも8X10か10X12インチサイズがほしい。また印画紙をまとめて購入するときには、乳剤番号が同じものを購入すること。同じメーカーの製品でも製造ロットで特性が違い、使用フィルターも違ってくるので注意が必要だ。これはサイズの違いでも同じことがいえる。だから、キャビネの印画紙で試し焼きをして10X12に引伸すのは失敗のもと。テストと本番は、必ず同じ袋の印画紙を使うこと。

◇現像薬品
専用の処理薬品を購入するのが最も安心だが、各種ペーパーに共通して使える処理薬品が種々のメー力−から発売されている。液量は、現像用具に応じて適当な墨を用意する。

●カラーペーパー用安全光

印画紙を取扱うためのセーフライト。濃いアンパー色で、専用のランプハウスに指定のワット数のランプを入れて使う。一定時間しかも一定距離で使用するのが安全。安全かどうかテストするときは、露光された部分にどのような影饗があるかをテストする必要がある。つまり露光しない部分が安全でも露光をかけたところ(たとえば画面の空の部分など)にカプリが生じる場合があるからである。この現象はあまり知られていないが、きわめて重要なことである。

●現像処理用具

カラーペーパーを現像するには、いくつかの方法があるので、最も適切な方法を選ぶ必要がある。
◇恒温パット
黒白処理なら温虔管理もあるていどラフですむが、カラー処理ではそうはいかない。少しでも温度差が出ると、色も濃度も変わってくる。そのためパット現像の場台も、一定温度(31-32度前後)に調節される恒温パットが必要になる。発色と漂白定着の両方に2個必要だが、予算の関係がある場台は発色現像用だけでも用意すること。パット処理では液が酸化しやすいので、液量はなるべく多いほうが安全。1リットルくらいではすぐに疲労してしまうので少なくとも2リットル、できれば3リットルほしい。

◇ドラム現像器
現像ドラムは、印画紙をつめたドラムに液を注入してからドラムを回転させて現像し、処理ごとに液を入れ替える。つまり使い捨てだから、液量にかかわらず処理液の特性は一定である。それに印画紙装填後は、すべて明るいところで処理できるので、少量処理にはこれが一番である。−回あたりの使用量は、10X12以下で100ccずつであるから1リットルで10回の処理ができる。ドラムの温度管理は、まずカップに入れた処理液をあらかじめ適温に調節しておく。注入直前に微調節も可能だから、恒温パットがなくても温虔管理はやりやすい。撹枠は手で回転させてもできるが、白動回転装置(モーターベース)があれば便利である。また大型のドラムを使えぱ、半切や全紙などの大伸しが少量の処理液でできるのも魅力である。

◇現像タイマー
自動現像機ではいらないが、そのほかの場合は正確な現像のタイミングために、なるべくプログラムが組めるものがほしい。時間がくるとベルが鳴り、さらに押すと指定の時間にまたベルが鳴るとい一っ方式のタイマーが便利である。

◇自勤現像機
自動現像機はたしかに便利である。露光された印画紙を送り込めぱ、発色現像・漂白定着されて出てくるわけだから、露光作業に専念できる点でも理想的である。ただ小型のものは2リットル用であるから、8X10で20枚以上処理するときは補充が必要になる。また使用後、清掃にけっこう時間と手間がかかることを覚悟しておく必要がある。

◇スキージ
水洗のすんだカラーぺーパーを乾燥させる前に、ぺーパーについている水滴を取り去るための種のワイパー。

◇へアードライヤー
水滴を拭ったあと、カラーぺーパーを乾燥させるために使う。数分で乾くが、大量に乾燥さぜるための尊用のRCペーパー乾燥機が発売されている。

◇カラープリント用判定器
カラープリント用に種々のカリキュレーター、通称「判定器」が発売されている。これはプリントしたいネガの光を拡散させ、モザイク状のフィルターをカラーぺ−パーに焼き付け、グレーになるフィルターを捜すという方式のものが多い。この方法では、全体の色調が無色に近いネガであればうまくいくが、そうでないものは判定がむずかしい。やはりグレー力ードをとっておくか、照明光ネガでテストをすべきである。今回、ここではRWカラープリントチェッカーPC-2のCCフイルターガイドを使用する。

◇カラーアナライザー
カラーアナライザーを買えば、どんなネガからでも正しいプリントができると思い込んでいる人がいるが、とんでもない。これはノーマルなプリントができたときの光を記憶さぜ、これを基準に補正していくわけだから、まずはじめに正しい色のノーマルプリントを作らなければならない。しかしそれには別の方法でノーマルプリントを作る必要があり、いきなりノーマルプリントが作れるわけではない。また、すべてのアナフイザーの指示どおりにやると、カラーフェリアやデンシティフェリアが生じて、結果は全自動のサービスプリントと同じような色調になってしまう。しかし、ここに提案している方法をつねに実行し、グレーカードまたは照明光ネガでコントロールするようにすれば、カラーフェリアもデンシティフェリアも出ない正しいコントロールができるので、たいへん有力な武器になるはずである。


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