ドキュメンタリー映画 『ひめゆり』
 
戦争の「記憶」を継承していく
「ひめゆり学徒隊」の体験を伝え続けてきた、沖縄のひめゆり平和祈念資料館では、元学徒や元教師など、戦争体験者が歴代の館長を務めてきました。今年3月、元学徒の島袋淑子館長(90)が退任し、後任に戦後世代の館長が初めて誕生しました。

「戦争の実相を伝える」、とひめゆりの皆さんは言います。実相を知ることで、戦争は遠いものだと思っている若い世代に、平和を守っていくことが如何に大切であるかが、伝わるのです。
資料館では2000年代前半から、戦争証言を伝える次世代の育成に力を入れてきました。戦争を知らない世代でも、ひめゆりの体験をつないでいく。そうした思いのひとつとして、この映画はあります。


一人から、次のひとりへ手渡していきたい
ひめゆりの生存者の記憶を受け取った時、どのようにして次の世代に継いでいくのか、その重さを実感しました。
映画を受け取った皆さんが「一人から、次のひとりへ」手渡していただければ、と願っています。
6月23日は「沖縄慰霊の日」。島全体が鎮魂の想いに包まれるこの日にちなみ、2007年の公開以来、ポレポレ東中野と共に毎年上映を続けてきました。
今年、上映12年目の映画『ひめゆり』です。
映画 『ひめゆり』 監督・上映スタッフ


あの戦争から、基地のある今の沖縄が続いている。
私たちは、これからを生きる世代に何を伝えることができるだろう。
      (c)プロダクション・エイシア
2006年/日本/ドキュメンタリー/130分

公式サイト

<受賞歴>
文化庁映画賞<文化記録映画部門>大賞
キネマ旬報ベスト・テン<文化映画>第1位
日本映画ペンクラブ<文化映画部門>ベスト1
<日本ジャーナリスト会議>JCJ特別賞
高崎映画祭特別賞
全国映連賞 監督賞
日本映画復興賞 奨励賞
SIGNIS JAPAN カトリック映画賞



<出演>
ひめゆり学徒の生存者 22名
<スタッフ>
製作・配給 :  プロダクション・エイシア

企画・監督 : 柴田 昌平

撮影 :  澤幡 正範  川崎 哲也  川口 慎一郎
<ストーリー>

13年の時をかけ
生存者22人の言葉を丹念に紡いだドキュメンタリー

太平洋戦争末期の1945年、沖縄では日本軍と米軍による住民を巻き込んだ地上戦が展開されました。15歳から19歳の女学生222名が急きょ看護要員として動員されます。のちに「ひめゆり学徒隊」と呼ばれるようになった少女たちです。テニス部やバレー部で汗を流し、歌い、学園生活を送っていた少女たちの生活が一変します。赤十字の旗が立つ安全地帯へ配属されるものと思っていましたが、そこは砲弾の飛び交う戦場でした。病院とは名ばかりの暗い壕の中で、負傷した日本兵の看護をはじめ手術の手伝い、死体処理まで命じられます。約三か月の間に123名が戦死。生きのびた生徒たちの多くは、戦後長く沈黙を保っていました。ひめゆり学徒の生存者22名が、戦場の体験と亡き友への想いを自らの言葉で綴る初の長編ドキュメンタリーです。


なんとなく知った気になっていた沖縄戦。繰り返し映画やテレビなどで取り上げられ、「殉国美談」のイメージがつきまとう「ひめゆり学徒」。しかし、戦場を体験した者の証言は圧倒的な力で私たちに迫り、戦争の本当の姿が見えてきます。
彼女たちが過酷な記憶を掘り起こし、自身の言葉として語れるようになるまでには、数十年の歳月が必要でした。長い葛藤の日々をへて語られる言葉からは、命の重さと、生きることの凛とした強さが伝わります。
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