(2016.1.8)

「第4回宮本賞(日中学生懸賞論文)」(日本日中関係学会主催)

応募51本、受賞者が決まる

  「学部生の部」:最優秀賞に方淑芬さんら「日中経済交流の次世代構想」
  「大学院生の部」:最優秀賞は該当なし。優秀賞に龍蕾さんら4人

 日本日中関係学会(会長:宮本雄二・元中国大使)が主催して「第4回宮本賞(日中学生懸賞論文)」を募集(2015年6月から募集開始)したところ、「学部生の部」で24本、「大学院生の部」で27本、合計51本の応募がありました。
 2016年1月8日に宮本雄二審査委員長など6人の審査委員が集まり、厳正な審査を行った結果、「学部生の部」では方淑芬さんらによる「日中経済交流の次世代構想~華人華僑の新しい日本展開を巡って」論文が最優秀賞に輝きました。また「大学院生の部」では最優秀賞は該当なしでしたが、龍蕾さんの「中国清朝末期における福沢諭吉認識への一考察」論文など4本が優秀賞に決まりました。
 中国大陸の大学から応募し、優秀賞に輝いた龍蕾さんには、4月に開催予定の発表会に招請状を送る予定です(国際航空運賃・宿泊費は学会が負担)。
 応募数は第1回(2012年募集)が合計12本、第2回(2013年募集)が合計27本、第3回(2014年募集)が49本でしたので、回を重ねるごとに応募者が増えていることが分かります。日本国内だけでなく、中国国内の多くの大学からも応募がありました。論文のレベルも年々、向上しております。宮本賞はいまや、日中の若者による相互理解を深め、日中のよりよい関係を構築していくうえで、大きな役割を果たしていると言えます。
今年も第5回宮本賞の募集を6月頃から開始しますので、皆様方のより一層のご協力をよろしくお願いします。

第4回宮本賞受賞者
<学部生の部>
  ●最優秀賞=副賞:10万円
    ▽方淑芬さん(日本大学商学部3年)、董星さん(同4年)、関野憲さん(同3年)、陳文君さん(同3年)、小泉裕梨絵さん(同2年)、姜楠さん(同2年)
      「日中経済交流の次世代構想~華人華僑の新しい日本展開を巡って」
       (在日華人華僑へのアンケートを通じて、華人華僑が従来の血縁・地縁に基づくネットワークの枠を超え、日本の企業と新しいやり方で協力・提携し、日中新時代の経済交流のキーパーソンになりつつある実態を浮き彫りにした)

  ●優秀賞=副賞:3万円
    ▽幡野佳奈さん(山梨県立大学国際政策学部4年)
      「日中映画交流の歴史と意義~高倉健の事例を中心に~」
         (高倉健主演の映画を事例とし、日本映画の中国における影響及び映画交流がもたらした日中国民感情の変化について考察)

    ▽倪木強さん(日本大学商学部3年)、佐藤伸彦さん(同4年)、趙宇鑫さん(同3年)、韓姜美さん(同3年)、林智英(同2年)さん
      「日本企業は中国リスクをどう捉えるか~中国労働者の権利意識に関するアンケート調査からの示唆~」
       (日本の対中進出企業のリスクともなっている労働紛争について、工会(組合)に頼らず自力で問題を解決する傾向の強い中国労働者の実態を、アンケートを通じて浮き彫りにした)
    ▽福井麻友さん(明治大学経営学部4年)
      「在中日系企業の中間管理者の確保に関する一考察」
       (対中進出企業が成功するためには、中間管理者の人材確保が不可欠であることを実地研究から導き出している)

  ●佳作=副賞:図書券(5000円相当)
    ▽西野浩尉さん(明治大学経営学部4年)
      「日中企業の評価制度比較と企業経営への影響」
       (在中日系企業での評価制度において、なぜ定量・定性の双方を取り入れ、それが受け入れられているかを実地研究から考察)
    ▽艾鑫さん(北京師範大学外国言語文学学院4年)
      「戦後国民党対日賠償放棄の出発点についての研究―蒋介石『以徳報怨』の方針と賠償請求権の放棄をめぐって」
       (蒋介石の「以徳報怨」の方針と戦争賠償請求権の放棄とは直接関係ないことを論証している)

<大学院生の部>
  ●最優秀賞=副賞:10万円
    ▽該当者なし 
 
  ●優秀賞=副賞:3万円
    ▽張鴻鵬さん(名城大学法学研究科博士課程後期3年)
      「陸軍中将遠藤三郎の『非戦平和』思想と日中友好活動」
         (日本陸軍の指導的立場にあった遠藤三郎が戦後、戦争を批判する立場に転じた過程を、遠藤の日誌などを通じて明らかに)

    ▽龍蕾さん(広東外語外貿大学東方言語文化学院日本語言語文化研究科博士課程前期2年)
      「中国清朝末期における福沢諭吉認識への一考察」 
         (近年の中国における福沢研究は「脱亜論」が主流だが、革命家・教育家などの側面を評価する人物もいたことを明らかに)

    ▽堀内弘司さん(早稲田大学アジア太平洋研究科博士課程2015年3月修了)
      「中国在住の日本人ビジネスパーソンらの異文化社会適応のアスペクト-Swidlerの『道具箱としての文化』の理論を援用した考察-」 
       (在中日本人ビジネスマンからのヒアリングを通じて、いかに彼らが異文化を克服していったかを「道具箱としての文化」理論を援用して分析)
    ▽胡優さん(立命館大学大学院政策科学研究科博士課程前期2年)
      「日中韓三国の排出権取引制度のリンクについて」
       (日中韓3国間の排出権取引をリンクする必要性が高まっているが、現実には各要素間にどのような調整すべき個所があるかを分析し、改善策を提言している)

  ●佳作=副賞:図書券(5000円相当)
    ▽盧永妮さん(北京外国語大学北京日本学研究センター社会コース博士課程前期2年)
      「21世紀初頭における日本経済界の対中認識について」
       (日中関係が悪化している中で、日本の経済界はどのように中国を認識しているかを報告者や専門誌などから丹念に拾い上げている)
    ▽宋鄧鵬さん(広東外語外貿大学東方言語文化学院日本語言語文化研究科博士課程前期1年)
      「中国人の爆買いをめぐる一考察」
       (「爆買い」現象を引き起こした原因を解明するとともに、今後の見通しについても言及している)
    ▽李書琴さん(北京外国語大学北京日本学研究センター社会コース博士課程前期2年)
      「中日関係における国家中心主義及びその衝撃」 
       (これまでの日中関係は国家中心主義的な考えが支配的だったと指摘するとともに、今後は「社会の力」をより重視すべきだと主張している)


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<審査委員長>
    宮本雄二(元駐中国大使)
<審査委員> アルファベット順
    江原規由(国際貿易投資研究所研究主幹)
    加藤青延(NHK解説委員) 
    大久保勲(福山大学名誉教授)    
    佐藤保 (元お茶の水女子大学学長)    
    杜進  (拓殖大学教授)     

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