中国中日関係史学会国際シンポジウムの報


                                                 2012年9月22日

1.去る9月15~16の両日、日中間の緊張が一段と厳しさを増す中、北京で当会と中国中日関係史学会共催の国際学術シンポジウム『アジアの未来と日中関係』が開催され、成功裏に終えることができました。

 会場の二十一世紀飯店は日本大使館と道路を挟んだ真向かいにあり、会場の外では連日激しい反日デモが行われていましたが、シンポジウムは100名以上の参加者を集め、領土問題をめぐっては双方の意見が噛み合わない場面もありましたが、「このような時にこそ冷静な議論を」との共通認識の下、建設的で前向きな議論が行われました。

 また、滞在期間中は基本的にホテルからの外出を控えましたが、その分、ホテル自室からデモの様子をじっくり観察することができましたし、CCTVをはじめとする中国メディアの報道ぶりの変化を日を追って観察することができ、現地滞在ならではの貴重な体験をすることができました。





2.会議一日目の15日(土)の午前中は

 武寅中国中日関係史学会会長、宮本雄二日本日中関係学会会長の挨拶

 堀之内秀久日本大使館公使、高洪中国社会科学院日本研究所副所長をはじめとする来賓の挨拶のあと、



 王泰平中日関係史学会副会長の基調講演『排除干擾、大力構築中日戦略互恵関係』と宮本会長の基調講演『日中の戦略的互恵関係をいかに強化するか』が行われました。

宮本会長の講演『日中の戦略的互恵関係を如何にして強化するか』はこちら


 次に、大会発言として、馮昭奎中国社会科学院栄誉学部委員から『回顧中日経済関係歴程、継続発展中日経済交流』、杉本勝則日中関係学会理事から『福島原発事故後の日本の原発、エネルギー政策』の講演が行われ、

 その後、飛び入りで徐敦信元駐日中国大使から日中関係の進展についての講演が行われました。





 

中国人記者からインタビューを受ける宮本会長      武寅会長への記念品贈呈


3.15日の午後は、以下の3つのセッションに分かれ報告とディスカッションが行われました

第一分科会(中日政治、外交、安全関係) 3階第一会議室

13:3015:30 報告   司会者:董永裁、川村範行

劉江永・中国中日関係史学会常務理事、清華大学教授

  テーマ:求同存异、携手共

川村範行・日中関係学会理事、名古屋外国語大学特任教授、元東京新聞・中日新聞論説委員

  テーマ:米国の新アジア太平洋戦略と日中関係の未来~安全保障の信頼関係を如何に築くか~

  楊伯江・国关系学院教授  

テーマ:美国的整与日本安全

 川西重忠・日中関係学会理事、桜美林大学教授

テーマ:ロシアから観た中国と日本

 張喚利・新華社世界問題研究センター研究員

    テーマ:渲染“中国威胁论害中日政治关系

郁志栄・上海日本研究交流中心研究   

テーマ:中日必建立海上危机管理机制

廉德瑰・上海国际问题研究院太研究中心    

テーマ:中日邦交正常化的启示

江新風・事科学院世界事研究部研究    

テーマ:从日本新防卫计划大看日本的

倪志敏・日中関係学会会員、龍谷大学社会科学研究所客員研究員、=論文参加

  テーマ:日中正常化と大平正芳

15:3015:45 休憩

15:4516:45 報告

村田忠禧  テーマ:回日中复交40年,思考未来

  斌・中国海洋大学日本研究中心主任     

テーマ:东亚海洋安全境与中日关系

周永生・

    テーマ:邦交正常化40周年背景下的中日关系

黄大慧・中国人民大学教授  

  テーマ:日本对华战略走向—基于日本智库报的分析

史桂芳・首都范大学教授   

テーマ:简论中国日政策的基本特点 

16:4517:30自由発言


 

第二分科会 中国との経済協力と東南アジア経済    三階第二会議室

13:3015:30 報告  司会者:姜、杉本勝則

田中修・日中関係学会理事、日中産学官交流機構特別研究員  

テーマ:中国経済の中期的課題と日本の役割

王新生・北京大学史学系教授 

テーマ:大平正芳与中国的改革开放—以第一次日元中心

江越  真・日中関係学会副会長、西村あさひ法律事務所顧問

テーマ:日中的政金融、会合作

春・中国国际问题研究所主任、研究  

テーマ: 太区域合作政策新化与中日关系

高久保豊・日中関係学会理事、日本大学教授

テーマ:「アジア発・経営理論」の萌芽と日中関係

       

テーマ:再论鸠山由夫的“东亚共同体

15:3015:45 休憩

15:4516:45 報告

金柏松・商部研究院副主任、研究      

テーマ:从期周期分析日本经济大危机

中英    

テーマ: 缺少地区主东亚合作

  中国社会科学院世界历史研究所研究员 

  テーマ: 台湾问题与日本—史与现实的述

16:4517:30 自由発言


 

第三分科会 日中文化・民間交流  三階第三会議室

13:3015:30 報告  司会者:高海、藤村幸義

藤村幸義・日中関係学会副会長、拓殖大学教授 

テーマ:既存メディアの衰退がもたらす報道の「質の劣化」

秋・全国政、北京大学教授

テーマ:从史角度考察日本对华

宋志勇・天津南开大学日本研究院副院、教授    

テーマ:中日教育合作交流40

丽华江省齐齐大学人文学院院、教授   

テーマ:近代中日外交之

高海中国国友好联络会原副秘书长

テーマ:从民与文化的角度思考中日关

15:3015:45 休憩

15:4516:45 報告

崔文中国人民抗日博士   

テーマ:二后德日政界争反思之比

刘少天津理工大学中日关系研究所所长、教授    

テーマ:破解中日互信中的制因素

  浙江旅游职业学院副教授

テーマ:田中访华与“竹入笔”的再考

蕙萱・北京大学教授    

テーマ:美国的移成中日关系的一大障碍

16:4517:30 自由発言



4.夜は王泰平副会長の主宰で歓迎宴が開かれ、緊張する日中関係の中にあってもアルコールを仲立ちとした率直な友好関係の確認とメンバーによっては昼間の議論の続きが熱心に行われていました




5.16日(日)は、午前中のみの日程で、

 以宁先生(全国政、北京大学教授、学会顾问)から『中国の経済情勢と東アジア協力』についての特別講演が行われた後、



 
第一から第三までの各分科会の主査から総括報告が行われ、最後に日本側から藤村幸義副会長、中国側からは武 寅会長の大会総括が行われ、一歩外に出ると反日デモが繰り返される中で行われた日中関係学会、中日関係史学会による国際シンポジウムは無事終了しました。



  藤村副会長の全体総括はこちら


 なお、第一分科会の総括報告において、中国側報告者は中国政府の立場のみを述べ日本政府を批判することに終始した総括報告を行いました。
しかし、これは、誰でも参加できるオープンフォーラムとしての日本日中関係学会の設立趣旨及び、自国政府の立場だけでなく自由に意見を交換し合うという今回のシンポジウムの趣旨にも反するものであるので、この点について日中関係学会として抗議の意思表示を行いました


                                                    以上