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  『アジアビジネス 成功への道』  平沢健一著




本書「おわりに」から

 伊勢志摩サミットが開催され東京オリンピックまで約4年です。日本が再びアジアのリーダーになり、世界から慕われ尊敬される最後のチャンスが来たのではないでしょうか。中国人、韓国人、インド人、アセアンの人達も世界の視点で言わないと認めてくれない時代になってきたと思います。
2011年の東北大震災は世界やアジアの冷酷な目が日本から引き始めたきっかけになったと考えるべきだと思料致します。
 また2015年から2016年に世界で起こっていることは、明治維新からこれまでの150年とこれからの50年の大きな時代の流れの転換点になる予感がします。日本は今こそ、明治維新と第二次大戦後の復興、世界が目を見張った二つの歴史に学び「第三の開国」をしなくてはなりません。
今こそ、政官産学が心を合わせて、坂本龍馬の名言「日本を今一度洗い直し候」の精神に立ち返るべきだと考えます。
 そのヒントは中国、韓国との歴史的和解にあると思います。いくつかの点をお話ししたく思います。
 ① 今や中国を中国国内だけで見ていてはいけません。アセアンビジネスの8~9割を握っているのが華僑でそのビジネスが沸騰し始め、まだまだ長く続きこれから拡大していきます。アジアと連動して考え、彼らと競争でなく協創していくべきです。お互いの得手不得手を研究しあい、協力し合い大きく世界に打って(売って)いこうではありませんか。

 ② 日本の縮小するマーケットを中国+アジア合算で考えていく。その先鋒役を商売が得意の華僑中国人に委ねる。もちろん丸投げではありません。信頼できる相手を選ぶべきで、そうした日本人の目利きを育成しねばなりません。マキャベリ―も言っています。「隣国を援助する国家は滅ぶ」と。ですから違いを知り違いを乗り越えて手を組むという事です。私は本音で中国のトップたちと付き合うことができました。一度も騙されませんでした。中国こそ本当の強い人脈ができる国と確信しています。欧米人とも良い交流をしてきた自負があります。
欧米中亜の長い経験で世界は間違いなく「性悪説」で動いています。今は日本だけが特殊な閉鎖的文化でこれを打ち破らなくてはいけません。

 ③ よく中国人に騙されたと言う日本人の方にお会いしますが、それは自分の力量不足という事です。中国文化を研究し、中国語を学び、世界を知り抜く人には良い人脈が必ずできます。外国の人はビジネスで日本に来るとフラストレーションがたまると言います。
まず日本人から変わりましょう。グローバル・アジア人材は曖昧な日本人の価値観を捨て、しっかりした歴史観を持ち、堂々とアジアの人と協働していかなければなりません。
そうすれば必ず中国の人達からも好かれ、尊敬され、信頼されます。

 ④ 中国と確りした関係ができれば韓国やロシアも変わってきます。両国のビジネスマンたちとも仕事をして痛感いたします。北朝鮮も大きな衝撃を受けることは間違いありません。

 ⑤ またアセアン諸国も大歓迎するでしょう。「第3の開国」とは戦後70年続いた中国、韓国との関係をドイツができて我ら日本人ができないはずがありません。10年半の欧州駐在で確信しました。中国が今、大変なことになりリーマンショック以来の危機が来るのではないか、との観測がなされている。だからこそ、天佑神助と思って強い決心で協働していくべきです。このチャンスを逃すと国家だけでなくビジネスもますます袋小路に入っていくのではないかと危惧します。

 前述しましたように今年は伊勢志摩サミットに世界のリーダーたちが参集するほか、アフリカの首脳たちが一堂に会するTICAD(アフリカ開発会議)も開催されます。日本がまさに世界の中心で輝く一年になると安倍総理も施政方針演説で述べられました。外国人観光客は2000万人に近づき、今や3000万を目指す時代になってきました。
 オリンピックまでに東京が様変わりして生まれ変わります。ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、香港など世界の魅力的な国際都市で生活し訪問してきた中で、未来へ挑戦する日本の決意が実感される魅力的な都市になるのではないでしょうか。我々一人一人も世界の人から尊敬されるように生まれ変わらねばなりません。大金を投じるオリンピックは起死回生の大チャンスです。先ずはアジア各国と、英語はもちろん、アジアの言葉でお互いに遠慮なく忌憚のない議論が出来るようにしていきましょう。そしてたくさんの友人を作っていきましょう。
 中国の友人たちが異口同音に言っています。「平沢さん、日本に行った友人・知人がこぞって『日本があんなに素晴らしい国とは知らなかった』と述べていますよ」
 誤解されている「おとなしい日本人」を返上して、「元気いっぱいの日本人」にしていく。そのチャンスこそがオリンピックの最大の財産であり、オリンピック後にも輝く日本になっていく布石になると考えます。