『中国の穴場めぐり』刊行記念、著者講演会が東京で開催

 

 とっておきの中国の観光名所を、中国通のメンバーらが紹介した最新観光ガイド『中国の穴場めぐり』(日本日中関係学会編)がこのほど日本僑報社から刊行されたのを記念して、主要編著者である藤村幸義(ふじむら・たかよし)日中関係学会副会長の講演会&サイン会が、7月8日夜、東京・八重洲の八重洲ブックセンター本店で開かれ、中国旅行に関心のある出席者約80人が熱心に耳を傾けた。

 本書では、最近まで外国人の立ち入りが禁じられていたところ、文化大革命で破壊され放置されていたところ、近年になってようやく観光地として整備され始めたところなど、これまで一般的なガイドブックではほとんど取り上げられてこなかった中国の30カ所に及ぶ現地最新情報が紹介されている。

 6月末の刊行後、「フジサンケイビジネスアイ」「東京新聞」「週刊ダイヤモンド」「人民日報」といった日中両国の各メディアでも多数書評が掲載されるなど、評判の1冊となっている。

 講演会ではまず藤村氏の紹介で、この日、出席した本書の筆者5人がそれぞれ執筆内容について紹介。

多くの仏教寺院が集まる遼寧省西部地区「遼西」の歴史文化を紹介した江原規由氏、中国自動車産業の一大拠点で、日本のビッグ3(トヨタ・ホンダ・日産)が参集する「広州」の産業基地について解説した高山勇一氏、また中国・ロシア・北朝鮮の3カ国が一望できる国境地帯、吉林省防川の開発について紹介した平沢健一氏、知られざる渤海国(今の黒竜江省)の跡地を巡ったという服部治氏、上海に残る1920年代の日系洋風建築を探訪した張厚泉氏から、それぞれ貴重な現地事情の話があった。

続いて、藤村氏が『中国の穴場めぐり』で触れられなかった注目のスポット6カ所を「番外編」として紹介した。

例えば、江蘇省揚州市の揚州博物館。

揚州には、昨年3月に発見され、同年11月に専門家によって「最後の埋葬地」として判定された隋の煬帝の墓があると解説。その上で、今年になって同博物館で展示された美しい「十三環の金玉帯」や「中年男性の歯」など、隋の煬帝を決定づけるという貴重な出土品の写真を、スクリーンに映し出して解説。

「地方の博物館はいま、非常に立派で充実している。意外な掘り出し物を見ることもできるので、おススメの中国の“穴場スポット”だ」などと紹介した。

ほかに、巨大ダムの「三峡ダム」、上海の若者に人気のスポット「新天地」や「田子坊」、北京・前門に今年オープンした「蝋人形館」、政治の中心部「中南海」など、まだあまり知られない中国の注目スポットについて説明。

その上で、「近年、訪日する中国人が増えてきた一方で、訪中する日本人は下降の一途をたどっている。日中の政治は難しい時期にあるが、民間交流は途絶えさせてはいけない。とくに実際に現地に行ってみなければ、中国の新しい変化をつかみそこなう。(本書を参考にして)多くの方に中国へ行っていただきたい」と呼びかけた。

会場からは「若者なら中国のどこに行くべきか?」「この30カ所が選ばれたわけは?」などの質問があり、藤村氏は「まずはどこでもいいから行ってみること。必ずそこで新しい変化を見ることができるだろう」とアドバイス。

 頭の中だけでわかったようなつもりになるのではなく、実際に訪れて自分の目で見たり、感じたりすること、異国の人やモノを深く理解することの大切さを訴えていた。
                              (日本僑報社より)