熱中症



  1. 「空調機を動かさずにいて熱中症になった」という例を良く聞く。節電などいろいろな理由もあるのだが、それで病院行きでは元も子もない。テレビや新聞などきちっと見ていれば理由は書いてある場合もあるのだが、ほとんどの人は「ボー」と見ているだけである。子どもや高齢老人などならともかく、結構な知識人でもこんな人が居る。
    「空調機を動かしていても、注意しなければ熱中症になると追加したい」。建物の最上階や屋根裏などは特に危険が大きい。輻射熱があるからである。涼しい地域では、冷房を持っていない家もある。そんな家の最上階や屋根裏は特に危険である。


  2. 夏など太陽が照っている状態では、家の屋根や壁がかなりの高温まで温まっている。もし、天井や内壁まで温まっていると、そこからは熱放射が行われている。であるから、風通しをよくすれば対流により空気は外気温度なのだが、身体は熱放射の温度を受け温まっているのである。だが、それを感じず、ほとんどの人は「ただ、暑い」とだけ思ってしまう。本当は「熱い」のだ。そこで我慢していると「熱放射による熱中症」になるのである。
     日が落ちても、屋根や壁は温まっている。屋根や壁が冷えるまで、熱放射は続く。こんなことで家には日が落ちたら冷えやすい家も夏には効果がある(冬は逆)。

  3. 家には、熱対策の弱いものがある。薄い壁や屋根、空気の対流がない壁や屋根、断熱に弱い壁や屋根、などである。家の熱対策は熱反射・熱放射・熱対流・熱伝導などを駆使してやるのが理想である。そうすれば、空調機の使用電力なども下がる。ただ、夏と冬とでは条件が違う場合がある。
    反射塗料なども最近出てきている、この機能は「光(電磁波)の反射」だろう。ただ、どれだけの持ちなのかはわからない。10年に1回の塗料の塗り替えなどが必要になると大変だ。まずは、対流・断熱などを駆使した上にやるのが理想だろう。
    電力を食う機器(例えば白熱球・プラズマテレビ)などは室内を暖め、冬はよいが夏はその分余計に空調機電力が増してしまう。
    古い空調機は効率も悪く、いつまでも使い続けることは電気の無駄になる。
    人間は一人50ワットなどという。

  4. 下手な断熱材や断熱方法を過信するのも危険である。家の断熱は結構知識ある設計者でないと当てにならない。断熱材と言っても、熱が表面から裏まで通るのに時間がかかると言うだけであって、部屋が密封されていれば、長時間経過すれば断熱材表面と裏(部屋側)も同じ温度になってしまう。部屋を冷やしていればよいのだが、冷やしてなければ、どんどんと部屋は断熱材の表面温度に近づいてしまう。

  5. 都会で樹木は少なくなってしまった。木を通り抜けた風は涼しい。葉の間を空気が通り抜けるときに、葉が持っている水分を蒸発させ、空気の熱を奪うからである。空調機にある熱の交換機のようなものである。意外にこんなことは忘れ去られている。