金利と返済額
何かしようとして銀行からお金を借りようとする。
借り方には「元本(元金)均等返済(=P1とする)」と「元利均等返済(=P2とする)」の二通りがある。
P1というものは、ちょっと数学好きの人ならば「いつの時点で利息がいくらなのか」は直ちにわかる。元本返済額は定額だから加えれば、その月の返済額もわかる。でも、延べで元本と利息をいくら返済するのかは、ちょっと級数計算というものを要する。
P2の場合は「元本と利息の合計額は一定」とは言え、毎月いくらなのかは単純にはわからない。毎月いくらかがわかれば、延べでいくらは払わなければ返済が終了しないかは直ちにわかる。「その内元本がいくらで、利息がいくらで」と言うものは「ある程度数学がわかる人しかわからない」とでも言えるのだろうか。
P1にせよP2にせよ返済期間と利率により数字は変わる。そんなものを数表化したら膨大なものになってしまう。
我々事業する人間は、作戦を決めるために概略を把握したいのであって、細かい数字はどうでもよい、大方の返済推移や経過がわかればよい。
一番知りたいことは、元金均等返済と元利均等返済で
延べの支払額がどれだけ変わってくるのか、金利でそれがどう変わってくるのか、
元利均等返済の場合、元本の返済がどうなって行くのか、金利でそれがどう変わってくるのか、
それらが、返済年数でどんな風に変わって行くのか、
などであるだろう。
こんなことなのだが、低金利ではあまりP1とP2の差は気にしなくて良いだろう。あまり変わりはないと言うことである。
「先憂後楽」「先楽後憂」
というものがある。最初は苦しいが我慢して後を楽にしようと言うのが前者であり、考えが浅く安直に楽をして、後苦しくなって憂鬱になるのが後者である。
一般的な人は仕事も何事も後者に陥りやすい。元金均等返済は前者、元利均等返済は後者と言えるのだろう。元利均等返済の場合、返済期間が経過して、金利が高くなればなるほど、賃借者は憂鬱になり、銀行はほくほくする。
お金を借りる場合の原則だが、
とにかく「返済開始時点の返済額が少ない方」を望むならば、元利均等返済(P2)がよい。ただ、この場合には返済における利息の総支払額は元本均等返済(P1)より増えてしまい、総返済額は多くなってしまう。
返済に多少でも余裕があり、早く返済してしまいたい、後が楽になりたい、と思うならばP1がよい。
こんなことなのだが、では安易にP2と言うのは考えなければならないことである。利率が高い場合は特に注意を要する。
デフレ経済ではそうも言えなくなっているが、インフレ経済では「お金は借りて事業すれば物価上昇により売上は増加する一方で返済は増えない」と言う環境があり、事業家は一般的には助かるものである。
表は勘を養うためのものである
。数字を入れ換えて遊べば返済に対する勘が養える。
下記は、右のpdfやExcel計算表をダウンロードして、
パラメータを変更して計算してみて下さい。
元利均等返済および元本均等返済における月返済額と全返済額
元利均等返済における元本返済状況
返済額の計算方法(式など)
(.pdf)
(元利均等返済と元本均等返済)
返済額の計算式
(Excel計算表)
(元利均等返済と元本均等返済)
返済額の計算例
(.pdf)金利を基準として
返済額の計算例
(.pdf)返済年数を基準として
(結果の一例を示しておこう、中間の値は按分などで見当はつく)