2006年が明けた。 さて、今年は例年より長い一年なのだという。
などと云っても実感できないが、1ナノ秒で光が約300m進むのだとさ。
1967年第13回国際度量衡総会での定義なんだそうだが、ここまでくると仏教用語と同じくらいチンのプンのカンなのだ。 |
2006年1月11日 |
〈そろそろおいでなすったかなの巻〉 二、三日前だけどね、もっと前かな、いや昨日だった、昨日の昼メシのあと、う〜晩メシのあとかも知れない、ところで昨日何食べたんだっけ? あれ、晩は食べなかったかな? そんなことどうでも良い? はいはい。でね、綴じたかったわけ。何を? あのね〜、そうやっていちいち物の名前を言わせるからあたしが混乱するんですよ、何を綴じたって大勢に影響ないでしょ? でも知りたい? 困ったねどうも、あなたてぇ人はそうやってずんずん攻め込んでくるんだ、昔からそうですよ、その性格を直さないとね、友だち減らすよ、ただでさえ次々と旅立ってるんだから、気をつけなさいよ、ンとうに。何のはなしだっけ? 綴じる? そう、綴じようとしたらだね、紙がホッチキスの間に挟まらないんですよ。パチンと針が出てくるところに。厚すぎた? いえ、ほんの五枚ばかり。うちのホッチキスこんなに小さかったかな、って良く見たらね、こいつが大笑い、ホッチキスじゃなっくてね、あれだったんだよ、いや〜一人で笑ってしまいましたね、大ウケ、いくらあたしが器用だからって、あれで紙は綴じられません、あなたもそう思うでしょ。思い出しても腹がよじれる、うはは、うは、は、は、ひぇ〜苦しい、だれか止めてくれ〜ぃ。 あれで綴じようって人が、え? あれって何? さっき言ったでしょう? 言ってない? 言ったはずですよ、おかしいな、言ったと思うがな、あなただって一緒に笑ってたじゃないですか。知らないでよく笑えますね。あたしがあんまり笑うから、ばかばかしくって笑った? もらい笑い? ははは、ま、良いですよ笑うってのは。笑うとね、癌の予防になるんですと。なんとか力が向上するってぇ話ですよ。なんとか力って何だ? あのね、物事はひとつずつ解決しましょうよ。端から片付けて行かないと累積なんとかになっちまいますよ。累積なに? だからぁ、それは置いといてホッチキスに戻りましょう。あれは、え〜と、こうやってはさんで、パチンと、ホッチキスじゃないってば、ホッチキスなら笑ったりしないでしょうが。ホッチキスに似てるんですよ。針? 針は出ません、針は出ないで何が出る? 何が出るんだったっけ? う〜思い出せない、こう持つでしょ、右手の親指と人指し指で、それでどうする? 左手に近づけてパチン。わかったっ、わかりましたよ。ツ・メ・キ・リ。 爪切りとホッチキス、机の上で似たようなバネものが隣り合わせだったんですね。 |
2006年2月24日 |
「あー、君、山田君」 H先生は、生徒の名前を一切覚えず、誰彼お構いなしに「山田君」で通していた。お嬢さんの婚約者W氏すらしばらくは山田君だったという。テレビの対談番組でも相手を「山田さん」と呼んで憮然とさせたこともあったらしいのだ。 四月がまた巡ってきて、私の受け持つセオリーとアレンジのクラスも新顔になる。
こんなことを一気に言って教室を見回すと、ほとんどの目がガラス玉のようだ。輝いているのではなくて、とろんとしたビー玉だ。あるいは死魚の目。瞳孔が開いてるぞ。生体反応なし。ガイシャの身元は? すぐに検死官を呼べ。お〜い、呼吸してるか〜??? もしもし、終点ですよ〜……。 |
2006年3月30日 |
「TKバスでは一日に何度でも乗れる便利な“バス一日乗車券”を車内で発売しております。御希望の方は停車中にサービスプロバイダーにお申し付け下さい」 肩書き、称号は時代とともに変化する。近ごろは時々刻々変わる。油断も隙もない。 さて御質問、面白いですね。あまり面白いので今月のHPのエッセイのネタにしたくなりました。 |
2006年4月28日 |
堀晃画伯から冷凍宅急便が届いた。 ……この手紙、奄美からです。今回お送りするのは、さとうきびのジュース「しぼりたて」です。シャーベットで食べます。新製品で、もうすぐ市場に出ますが、一足先に佐藤さんにお送りします…… 写真には刈り取ったさとうきびの皮を鎌でそぎ落としている堀さんと仲間達の姿が写っている。編笠をかぶっているととても画伯には見えない。ベトナムの農民風。
そうそう、堀さんの作品を東京で見る機会が近々あるはずだ。7月に銀座の日動画廊で個展が開催される。詳細わかり次第BBSでお知らせします。 |
2006年6月1日 |
「最近ホームページの更新がありませんがお元気ですか」というメールがLA在住のT氏から来た。時折覗いてくれているようだ。日頃音沙汰がなくてもHPで安否確認できる時代というのは便利な反面恐ろしい気もする。 7月16日(日)羽田発11:10 ANA643便熊本行きに乗るべく家を出る。ステージ用黒シャツ、黒パンツ、靴、着替え、洗面具などツアー用品一式をスポーツバッグに詰め、ショルダーバッグに手帳、財布、電話、楽譜は入れたな。施錠よし、電気よし、と。 しかし、である。どんな国に行こうがこれまで一度たりとも置き忘れなどしたことのないこの俺が、ド単純なミスを犯すとは。いやはやなさけない。 |
2006年8月25日 |
ロシア人は並ぶ。 ある店、たとえば肉屋が9時から18時まで営業、となっていたら西側諸国で夕食の肉を朝9時に買う必要はない。が、ソ連は違う。そろそろ夕食の支度を、と肉屋に出かけて行っても店の棚に肉があるとは限らない、いや棚は間違いなく空っぽだろう。 一回目。招請元から「8月31日にこちらの外務省から日本へテレックスが届くので、ビザを申請に行って下さい」という知らせが来た。こちらとしては当然ロシア大使館には本国から「この者にビザを発給せよ」という指示が来ているのだから、申請に関する必要書類すなわちパスポート、写真、申請書があればビザがもらえると考えるだろう。
という三項目がある。これに渡航者氏名、旅券番号、生年月日、入国目的、ビザの種類、等を書き込んでファックスし、一番目にチェックが入り、何かの番号と領事かなにかのサインがある返事がきたら改めて出頭(まるで警察だね)するんだそうだ。
とあって、用紙がダウンロードできるようになっている。 で、やっと出頭二回目となる。以下次号。 |
2006年10月11日 |
ロシア大使館出頭第二回。
……なんてことが書いてある。それから10年、希望通りソ連崩壊、体制は変わったが国民性は? 断固不変なのでありますよ。 10月29日12:00発SU576便。機中で入国カードが配られる。こいつに記入するのは大体どこの国でも同じような事項──名前、生年月日、性別、パスポート番号、国籍、渡航目的──だろうからどうということはないが、項目がすべてロシア語ときたもんだ。フツーの国だったら少なくとも英語併記くらいはするもんだぜ。ロシアに来るやつはロシア語の読み書きができなくてはならぬ、というのならビザを発給する前にロシア語検定を義務づければ良い。そうすればロシアへ行く人間は激減するだろう。観光やら交流やらで少しでも外貨を稼ごうと思うなら、少しは考えんかい、オメーラ。
機内誌はアエロフロートのサービスだ。入国カードはロシア外務省の書類だ。アエロフロートという別企業がこのページを印刷する手間を省いてしまったら外務省はどうするのだろう。アエロフロートは外務省に命令されてこのページを作っているのか。そうでないとしたら役人の権限拡張本能がこのことだけに働いていない。入国書類を英語併記にするだけで、書き込む際いちいち機内誌を開くこともないし、アエロフロートも記事を1ページ増やせるのだ。誰にとってもすっきりすることをなぜやらないのか。意図的に非効率を保持しているとしか思えない。 MOSCOW着17:40。東京との時差5時間。飛行時間10H20M。 |
2006年10月31日 |
「お前らも検査しといたほうが良いぞ。早く発見すりゃ軽いんだから。俺を見ろよ。一週間もかからずにもういつも通りだ。別に恥ずかしがるこたぁないよ。むこうはそれが専門なんだからさぁ」
検査前日は新宿ピットイン。終演が11時近くになる。ヨーピス液とやらを10〜12時に飲めということだが、家に帰るのは12時をまわるから、ピットインで服用? しかし外で下剤を飲んで大丈夫か? 小田急線のなかで催したらまずいではないか。いつもなら終わってからメンバーで「お疲れカンパイ」をするのだが、こいつを省略して急いで帰れば間に合うかもしれないな。 こういう朝はどういうわけか目覚しが鳴る直前に目がさめる。寝る前の緩下剤が効いたのかマグコロールを飲む前にまず1回目のトイレ行き。パウチを机に置きコップを片手に書きかけのアレンジにとりかかる。しかし1800ccといえば一升瓶1本だ。一時間でそんなに飲めるのかいな。酒ならともかく。 |
2006年11月30日 |