診療所通信
        Clinic News Paper
No.96
2007/7/1

/                 川上診療所
 今月でわが診療所は開院8年を迎えました。早いものです。確実に時間は流れていて、古くなった機材を新しくし、壊れたところは修繕しなければならない。やれやれ大変だなと思いつつも、しかし良いこともあります。わが診療所からも幾人かの「卒業生」が生まれました。8年という歳月の間に、不安気な若者だった医師たちが第一線の臨床医に成長しました。また、ここから巣立って専門看護師になり、今は大学の教育現場で活躍している人もいます。そういう頼もしい後輩たちに囲まれて、幸せかと問われると、何だか忙しくなったなあというのが実感です。院長はやらなければならないことがまだまだあるよ、ということですね。今年の秋から千葉市では、30歳代の超音波(エコー検査)による乳がん検診が始まります。これで若い人たちの乳がん検診が、より身近に、より正確になることでしょう。意味のある仕事に携われて幸せかと問われると、間違いなくそうだなと思います。ボクと同じ思いを共有できる後輩たちをもっともっと育てなければなりませんね。
この夏もボクは自転車通勤です。みなさんも自分にあったフィットネスを…。

マンモグラフィ検診・・・・右のグラフは厚労省が発表した全国の乳がん検診の受診状況です。マンモグラフィ検診は、年々増えていて、平成17年度を境に触診法を越える受診者数になったことが、このグラフからよく分かります。ちなみに平成17年度の乳がん発見数は、触診が958人(発見率0.14%)に対して、マンモグラフィは4398人(発見率0.27%)でした。予想通りの明白な結果となりました。


祐有子先生のコラム・・・・私が近ごろもらった贈り物についてお話したいと思います。私には、子供のころから家族同然に過ごしていた叔母夫婦と従姉がいます。ところが、今思うと何が理由だったかもハッキリしないことが原因で、連絡が取りにくくなってしまいました。気にはしていても、時間がたってしまうと余計に気まずく、そのままになっていました。そうして半年が過ぎたある日、従姉から愛犬の事故死の連絡がきました。叔父が散歩に行こうとしたとき、するりと手から綱が抜けてしまい、トラックにはねられたそうです。おとなしい犬だったのですが、一瞬の出来事だったそうです・・・。これをキッカケに叔母たちと話をし、まるで半年がなかったかのように以前の関係に戻りました。大事な人との時間を、人間ではなく犬の死が教えてくれました。自分を取り巻く人たちと、すれ違いのあるままに、別れてしまうこともあるのだと思います。時間は無限ではなく有限で、そのうちにと思っていても、そのうちはないかも知れない。今を大切に生きていくようにしたいと思いました。仲直り、ちょっぴり切ない、愛犬シイのくれた「贈り物」でした。
祐有子先生はいつも繊細で女性らしい感性ですね。(院長)

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