診療所通信
        Clinic News Paper
No.91
2007/2/1

/                 川上診療所
 4才年上の私の姉は、いわゆる団塊世代です。久しぶりに電話してみると「・・・乗馬やってるのよ。あなたも身体に良いことした方がいいわよ。コレステロール高いんでしょう? あなた医者でしょ。云々…」。うーん、相変わらず元気そうで何よりではあります。それにしても馬なんかにいつから興味あったのかな。団塊世代というと、高齢化社会、医療制度の破綻など課題はいろいろあるようですが、実感としてどんなものなのでしょうねえ。私の診療所に来るやはり団塊世代の○男さんは「今日はこれから、釣り仲間と飲みに行くよ。えっ血圧? まあ先生、その時はよろしく。」などと言いながら本当に昼間から飲みに行ってしまう。まったくAlwaysみたいです。そういえば肺がんを克服した歌手の吉田拓郎さんは嬬恋で唄っていました。「・・・たばこをやめたり、むやみに走ったり、そんな毎日が立派だなんて、魂が熱くならなきゃ恥ずかしいだけ」と。彼ら親愛なる諸先輩方からのメッセージは「あれこれ悩んでるヒマなんかないよ」ということなのでしょうね、きっと。
まだ寒い2月です、風邪やインフルエンザに注意してお過ごし下さい。

部位 平均在院
日数
入院にかか
る保険点数
自己負担額
34.6 100,421 301,262
大腸 30.7  88,741 266,223
34.1  90,825 272,476
乳房 17.0  55,049 165,146
子宮 21.6  60,152 180,455
白血病 57.9 291,633 874,898
・入院にかかる自己負担・・・厚生労働省データベースをもとに主ながんについての入院にかかる負担額を計算してみました(自己負担は3割で、また差額ベッド等の費用は含まず算出)。胃や大腸などでは1ヶ月以上の入院が必要なため、自己負担額は30万円程度かかりますが、乳房の手術は入院期間が短いこともあり(温存手術では1週間程度)、負担額が少ないようです。


・東北の日本文学・・・・私の敬愛する大先輩からお便りと本が届きました。一部紹介しましょう。「藤沢周平の作品はかなり読んでおりますので、本棚にあるはずと探してみましたが、あまり見つかりません。きっと本好きの従弟にやってしまったのだと思います。ところがバカバカしい事ですが、同じ本が五,六冊もあるのを見つけました。時たま数冊まとめて買ってくることがありますが、晩酌の後ベッドで読む癖があり当然の事ながら最初の一ページで寝付いてしまいます。これを毎晩繰り返しているためさっぱり先に進みません。そのうち買ってきたことを忘れてしまうのでしょう。本棚を整理していて発見もありました。カバーの付いているものと付いていないものがあることです。読み始めるとだんだんカバーが邪魔になり捨ててしまう癖があるのですが、カバーの付いている本は一ページで終わったかまったく読んでいないものなのでしょう。当分本を買うのはやめることにしました。藤沢作品で印象に残っているものは三屋清左衛門残日録です。最終章で友人の佐伯熊太と酒を酌み交わすところがありますが、酒の肴が鶴岡そのままです。用心棒日月抄も同じです。もちろん作品の内容もなかなか良いものだと思います。」
いかがでしょうか。私も歳をとったらかく穏やかに本が読めるようになりたいものです。


診療所通信の目次に戻る