診療所通信
        Clinic News Paper
No.89
2006/12/1

/                 川上診療所
 早いもので、もう12月。寒くなっても私は相変わらず歩いて通勤しています。私の住む街にある小学校の校長先生は、毎朝、校門のところに立って通ってくる子どもたちに声をかけています。「お早うございま〜す!」と大きい声で、まるでサンタクロースのような体格のその校長先生は、一人一人に声をかけます。通勤路の私にも「ご苦労様で〜す!」と遠くから声をかけてくれます。この一言で、今年53才のおじさんも(言うまでもなく私のことですが)元気になってしまうのです。「いいなあ」。毎年の暮れの風物詩だった映画「寅さん」、その中に出てくる御前様は、町の人たちをいつもほのぼの見守っていました。いつかは私もそういう立派な人格を持つ人たちのようになれるのだろうか。お坊さん、先生、そして医者は、人の内側の部分を大切にしなくてはいけない。点数や評価では測れないところに目を向けないといけない。私にそれが出来るようになるだろうか・・・。1年を振り返ると、誰しもいろいろな想いが浮かんでくるのではないでしょうか。反省ばかりだと、気持ちが小さくなってしまうから、皆さん、どうぞ夢と希望もふくらまして下さいね。
来るべき年が良い年でありますように、お祈り申し上げます。

・インフルエンザについて・・・・予防接種はもう済ませましたか? インフルエンザ予防接種についての「よくある質問」をまとめてみました。@発熱は何度以上で注射できませんか? 原則として37.0度以上では接種できません。A接種の時期は、いつ頃が望ましいですか? ワクチン接種後の免疫ができるのに、約1ヶ月ほどかかります。1月に流行することが多いので、12月中旬までの接種が望ましいです。Bどのくらいの期間、効果が期待できますか? 1シーズンです。従って毎年の接種が必要です。C接種は1回で良いですか?成人の場合は、1回でも2回でも効果に差がないことがわかりました。免疫機能の低い年齢(13才未満と65歳以上)では、2回接種が必要な場合もあります。D接種後の注意事項は? 激しい運動など体力の消耗を避けるようにしましょう。また接種当日の入浴はかまいません(接種部を強くこすらないように)。E予防接種でインフルエンザを絶対に防げますか? ワクチンの種類とインフルエンザの種類が一致した場合は、8割の方に有効です。残りの2割の方も症状は軽く済むようです。
体調に注意してお過ごし下さい。どうぞお大事に。

・増田先生からのメッセージ・・・子供と散歩をしていると、花や虫、すべてに驚き感動する姿に心が洗われます。気が付くと自分も一生懸命、花や虫を探しています。そして発見したときは得意な気分「ほら、蝶々がいるわよ!」。大人になって失われた感動を、こんなふうに思い出す時間を持てるのは、素晴らしいことだと思います。と同時に、子供の純真さとは違ってしまった自分を確認します。星の王子さまを読まれたことはありますか?本の中の語り手は、王子さまにねだられて羊を描きます。なかなか王子さまの希望の羊は描けません。ついに面倒になり、箱の絵を描いて「君の羊はこの中にいるよ」と渡します。すると王子さまは「こんなのがほしかったんだ!」と言い、絵の箱の穴に顔を近付けて羊を眺めるのです。王子さまには見えますが、語り手には見えない羊がいるのです。近頃は、子供でも感動や純真さを失いがち。子供の時の心、純真さを取り戻してあげることは、大人としての責任ではないかしらと思います。

・年末年始の休診は12月28日(木)〜1月4日(木)とさせて頂きます。よろしくお願い申し上げます。
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