診療所通信
        Clinic News Paper
No.88
2006/11/1

/                 川上診療所
 「Dr.コトー診療所」というテレビ番組を見ました。南の島の小さな診療所で繰り広げられる人間模様という感じのドラマですね。お気楽な仕事ぶりの医者もいるものだなあと思いつつも、青い海や島の景色がとてもきれいで、つい見とれてしまいました。その診療所の看護師さんが、乳がんになってしまう。「うむ、こりゃ困ったなあ」。他人事とも思えませんねえ。翌日は、乳がん検診に若い女性もたくさん来院され、ひょっとしてテレビの影響かな? 医療ドラマでは現役の医師が演技の指導をするそうですが、この番組の医学監修を担当した伊藤 靖先生が、このたび千葉市にクリニックを開院しました(いとう新検見川クリニック:043-272-3213)。伊藤先生は誠実で穏やかな人柄で、ドクター・コトーにも負けていないですよ。私としてもこの地域の乳がん医療に新しく同志ができて、たいへん心強く思っています。医療というものは一人でできるものではなくて、医者も患者も、みんなであれこれ知恵を出し合って作っていくものです。これからの先生のご活躍を心から期待しております。
それにしても海辺を自転車で走りながらの往診、いいですねえ。

・来年度の市検診・・・・昨年度の1年間、当診療所では検診を希望される方の増加に追いつけず、千葉市の検診をお休みさせていただきました。多くの方々にご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。今年度は、市検診を予約制で限定的に再開し、そのためか混雑もいくぶん緩和されてきて少しほっとしています。来年度につきましては、今年度と同じように施行する予定です。基本健診、乳がん検診(一次二次)、胃がん検診(一次)、肺がん検診(一次)を、予約制で行う予定です。さて、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、従来から行われてきた千葉市の基本健診などは、国の医療制度改革に伴い2年後の平成20年度から大幅な見直しが予定されています。基本検診ではメタボリック・シンドロームに関する予防と指導が強化される見込みです。がん検診に関しては、従来と大きな変化はないようです。若年者の乳がん検診ではエコー検査(超音波)がたいへん有効ですので、廃止されてしまった30才代の乳がん検診は、是非ともエコー検査で再開してほしいと思っています。
病気の対策はまず予防です。これからどのような検診体制を作るか、大きな課題ですね。

宮内先生からの近況報告・・・・がんに関する情報提供会社を立ち上げて10月でちょうど5年になりました。近況報告です。会社の経営状態は良好です。現在、医療相談やセカンドオピニオンをお受けになる患者さんが月10名前後(他施設での医療相談を含めるとその倍くらいになります)。患者さんの会、公開講座などでの講演が年間数回。メデイカルアドバイザーとして、お付き合いさせていただいている製薬メーカー関連企業が約○○社(企業内秘密事項です)。メディア関係の医学監修、アドバイザー、講師などの仕事が月数件。こうした会社関連の仕事時間と、クリニックや検診センターでの乳腺専門医としての通常の診療時間は、現在ではほぼイーブンです。会社の仕事で出張が多くなると、それが逆転する週も時々あります。・・・と、忙しく過ごしていることをご報告申し上げます。診察室の外からも患者さんをサポートする仕事は非常に重要です。一般にこのような内容の仕事は日本ではまだ少ないのですが、徐々に理解されるようになってきたことを、何よりありがたく思っております。今後ともよろしくお願い致します。
白衣を着て診察しているだけが医者じゃありませんね。これからもがんばって下さい。(院長)

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