診療所通信
        Clinic News Paper
No.78
2006/1/1

/                 川上診療所
 新年おめでとうございます。今年がどうぞ良い年でありますように、心からお祈り申し上げます。さてわが診療所では、早々におめでたいことがありまして、2人の職員が産休に入りました。・・・。どうか愛情を持って子供を育てて、そして仕事に戻ってきて下さい、と私は願うわけです。で徒然、思い起こしてみますと、この2年間に職員の中で7人のおめでたと3人の結婚がありました。(けっこう多いねえ。寿診療所と言われるわけだよ)。女性が子育てしながら仕事を続けることは、現実にはそう簡単なことではなくて、熱が出れば保育所から呼び出されるし、そもそも保育所の空きがないし、そういう状況をあれこれみんなで助け合いながら仕事をする。そこから「三丁目の夕日」的な温もりが生まれてくるのであって、だから患者の視点に立った人間的な医療ができる、と院長は考えているわけです。このような年頭の訓辞を職員にしようかと思ったのですが、しつこく長くなるのでやめておきました。今年も川上診療所は、自分たちのペースでがんばって参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。


・ゲームはベータ波を低下させる・・・・日本大学の森昭雄教授(脳神経科学)が行った実験で、テレビゲームをするときにはベータ波が低下していることが分かったそうです。ベータ波は、感情や創造性をつかさどる大脳の前頭前野が活発な時に出る脳波です。ゲームをしない人は、このベータ波がアルファ波よりも強く出ますが、毎日2〜7時間ゲームをする人は、ベータ波は常にゼロに近かったそうです。大脳の前頭前野は、本能をつかさどる部分を抑制する働きがあり、ここに損傷をうけると、行動が子供っぽくなったり、感情のコントロールが困難になることがある。また、聞き取り調査の結果、毎日ゲームを2〜7時間する人は、「キレやすい」「集中できない」「友達づきあいが苦手」というような自覚が多いことも判明したそうです。ゲーム依存症の人は、ゲームが全てに優先し、寝る間も惜しんで食事も充分に摂らず、果ては仕事を辞めてまでゲームを続けてしまう・・・。はてさて、これではまともにものが考えられなくなっている状態と言えますね。
しかしそれは、ゲーム依存症の人ばかりではないような気もするのですが。

宮内先生からのメッセージ・・・・「人は誰もが生きるためにレールの上を一生懸命走っているけど、病気になってそのレールからはずれかけたときに、お医者さんは、『もう一度そのレールの上を続けて走るんだよ』と、元に戻してくれるんですもの・・ありがたいお仕事です」と、ある患者さんに言われました。とうのお医者さんたちは、忙しさにかまけてそんな当たり前の役割をついつい忘れがちなのですが。「病気を治す」のではなく、「病気を持った患者さんを治す」つもりでいれば、そのレールはちゃんとお医者さんにも見えているはず、医療不信なんて絶対ないでしょう・・。さあ、今年はまた、何人の患者さんをレールの上に戻してあげられるかな・・(最近、僕の方がレールからはずれそうです。また体力づくりしなくちゃ・・今年の目標は標準体重とsix packの腹筋!ってことにしよう。ダイエット成功の秘訣はみんなに言いふらしちゃうことだそうです。実現しなかったらカッコ悪いもん!)
宮内先生(ブレストサービス社)は、がん医療相談の専門家。今年もがんばって下さい。


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