診療所通信
        Clinic News Paper
No.69
2005/4/1

/                 川上診療所
 4月、新しい年度ですね。私の親友・宮尾陽一先生から、「かねてよりの希望通り、この春に病院長を辞めインドに行くことにした」と便りがありました。いよいよ決めたか・・。やめて何をするか?「いずれは自分でNGOを立ち上げたい。お前もいつか来いよ。」と控えめに言う彼の言葉は、相変わらず真っ直ぐで、医師として自分のやるべきこと、やりたいことがはっきりと見えているように響きます。また一方、わが診療所の宮内先生は、がん医療情報の「ブレストサービス社」という会社を主宰しています。新しい薬ができた、しかし実際はどうなの? 現場からのナマの意見を研究者たちに直接アドバイスする仕事。こういう分野の仕事は世界では普通に行われているのですが、日本ではまだ珍しい。先月はスイスに行ってきて、文字通り世界中を飛び回っています。二人ともいわゆる一般のお医者さんとはちょっと違うかも知れません。この春、社会に巣立つ若い人たち、当たり前のつまらない世の中に、ではなくて、自分のやりたいことに向かって、夢と希望を持って進んでいって下さいね。
苦難な道もいとわない彼らに、ヒポクラテスの祝福を。

・初めまして・・・・診療放射線技師の鈴木麻美です。以前は埼玉県吉川市の病院で働いていました。吉川市はなまず料理が有名で、駅前のロータリーには、金のなまず像があるんです。興味のある方はぜひ見に行って下さい。また私は犬が好きで、自宅には今年11才になる♀の大きく育ちすぎたシェットランドシープドックがいます。なんと昨年乳腺の手術を受けたんですよ。今は元気で食欲旺盛です。犬のくせにストーブの前で寝るのが大好きで、私がくしゃみをするとものすごく怒るちょっと変わった犬です。私の仕事は主にマンモグラフィ(乳房のX線検査)の撮影です。マンモグラフィは圧迫するときに痛みを伴うことがあります。リラックスすることで痛みはかなり軽減され、より良い写真が得られます。痛みの感覚など人それぞれ違いますし、私も一人一人にあわせた撮影を心がけていくつもりです。どうぞよろしくお願いします。
(院長)質の良い仕事を、がんばって下さい。

・小学生の学級発表会・・・・「私は子供が5才未満で死んでしまう国について調べました。バングラデシュという国を知っていますか?その国では、栄養失調で亡くなってしまう子供がいます。治療を受けるため、首都ダッカにある病院はいつも満員です。1994年の1年間で5才未満の子供が命を失った数は、世界で約1600万人!ニジェール、アンゴラ、シエラレオネなどの国々では、その割合が高いです。それに比べ日本は、すぐに確実な治療が受けられるので、そこのところは少し違うなと思いました。次に、フローレンス・ナイチンゲールについて発表します。ナイチンゲールはクリミア戦争の時に大活躍した看護婦さんです。人の世話をするのが好きだった彼女は、看護婦になることを決心しましたが、母や姉に大反対されました。いつまでも夢が実現しないナイチンゲールは、神経衰弱という病気になってしまいました。1853年にやっと看護婦になる夢がかないました。ナイチンゲールのおかげで、けが人死亡率は40%からなんと2%に減りました。敵味方の区別なく人を助けたナイチンゲールの努力は、赤十字を作ったアンリ・デュナンに大きな影響を与えました。」
(院長談)この発表をしたのは小学4年生の女子です。実は我が娘なのですが・・・。


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