診療所通信
        Clinic News Paper
No.67
2005/2/1

/                 川上診療所
 乳がん医療を志す青年医師S先生から、久しぶりにお便りが届きました。一部ご紹介しましょう。「ご無沙汰しております。常日頃より先生のホームページを拝見させていただき、先生のご活躍の様子を励みに、日々微力ながら仕事をさせていただいております。この地域は、こと乳腺に関して医療過疎地で、胸壁から出血して貧血でやって来るような乳がんの患者さんや、多々難題をかかえた患者さんで溢れております(その点では途上国に似た環境かも知れません・・・)。化学療法・ホルモン療法のほか、局所コントロールでの手術を余儀なくされた患者さんも多く、啓発活動の重要性を実感しました(以前先生のおっしゃっておられた小学生への学校教育に、触診の重要性のレクチャーを取り入れれば・・などと考えています)。本年は、学会に“途上国の乳腺疾患に我々が関われること”といったテーマで演題を出そうと準備しています。ご指導を賜りますよう宜しくお願いいたします。ご多忙のことと存じますが、御身体をご自愛ください」。相変わらず清々しいS先生。乳がんという一つの病気から社会全体を見渡そうとする目、これは専門医としての大事な資質だと私は思います。
全国各地で、こうして医師たちが、がんばっていると思うとうれしいですね。

・たばこと乳がん・・・・ 厚生労働省による多目的コホート研究(JPHC研究)で、たばこを吸う女性は、吸わない女性と比べて、乳がんのリスクが高くなることが分かったそうです。研究班は、40〜59歳の女性約2万人を対象として、1990年から10年間、追跡調査をしました。追跡期間中に180人が乳がんにかかり、喫煙習慣による乳がんのリスクを計算すると、約1.9倍のリスクがあったとのことです。また、閉経前の女性について見るとリスクは約3.9倍でした。さらに、受動喫煙の影響についての調査結果では、受動喫煙なしの人の乳がんリスクを1とした場合、家庭と職場両方で受動喫煙がある人は、乳がんリスクが2.6だったとのことです。研究班は、『たばこと乳がんの関係については、これまで世界中で調べられてきましたが、はっきりした結論は得られていません。(中略)乳がん予防の第一歩として禁煙をし、さらに受動喫煙を避けることは、がん予防に有効であると考えられます。もちろん、乳がんだけでなく他の多くの病気を同時に予防できるという理由からも、禁煙のメリットは大きい』と解説しています。
それは、その通りでしょう。

この患者さんおいくつかな?・・・・ 再来患者さんのカルテの冒頭には、生年月日は書いてあるが、現在の年齢が書いていないので、今おいくつなのか?と悩んでしまう。「僕は今年△歳で誕生年がこの患者さんとは◇年違うし、昭和64年が平成元年だから、えーっと」・・って、いつも頭の中で超複雑な計算をしていた、が、先日キラリと閃いた。今年は昭和80年だから、昭和生まれの人なら生まれた年(昭和何年)を引けば良い。昭和23年生まれなら80−23=今年は57歳・・簡単じゃん。じゃあ今年は昭和何年か、毎年どうしたらそれがわかるか?僕は昭和32年生まれ、昭和はそのときすでに32年経っていたんだから、今年48歳になる自分の年齢を足せば、今年は昭和80年・・一発で解決。そうなんです、今年僕は4巡目の干支(酉)。48年間もこんな簡単なことに気がつかなかったなんて・・人生いくつになっても教わることは多い。
これで親父やおふくろの年齢も、毎年間違わずに言えるぞ。(宮内先生)


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