診療所通信
        Clinic News Paper
No.62
2004/8/31

/                 川上診療所
 長かった夏が過ぎて、やっと9月になりました。この夏は暑さのせいか、体調を崩して診療所に来る方が多かったように思います。かく言う私もほとんどダウンしそうになってしまいました。患者さんたちに「先生、お大事に・・。」とか言われるようでは、本末転倒ですね。人は年をとるとそれなりの視野が見えてきて、若い人は若い人の視野、年輩の人は年齢に相応しい視野というものが、それぞれ開けるのでしょう。何かに打ち込むこと、がんばることは、別の視点から言えば、身体と心を酷使するということ。これは若い人には可能ですが、誰にでも通じる価値というわけではない。視点を変えると価値も変わってくる。身体が思うようにならないと、それが分かってきますね。身体だけじゃない、国や社会もそうかも知れませんね。たった一度の人生、命を大切に、若い人にはピンと来ないかも知れないけど、私と同年代(?)の皆さん、そして患者さん、どうぞ心して下さいね。
さあ秋からまた頑張りましょう、ではなくて、マイペースで行きましょう、でした。

・やせすぎもがんの元?・・・厚生労働省研究班による多目的コホート研究(JPHC研究)によると、男性では肥満度(体重÷身長÷身長)が21未満の痩せている人は、がんの発生が高いと発表されました。この研究は、1990年と1993年に、日本の7つの地域に住んでいる40〜69才の男女約9万人を対象に、生活習慣に関するアンケートを実施し、その後2001年まで追跡調査を行った結果です。肥満度が正常値(23〜25)の人のがん発生率を1としたときに、痩せている人(肥満度:19〜21)では1.14、非常に痩せている人(肥満度:14〜19)では1.29と、痩せる度合いが強いほどがんの発生率が高いという結果がでました。一方、非常に太っている人(肥満度:30〜40)も1.22とがん発生率は高く、やはりがんになりやすいようです。肥満はがんをはじめとする生活習慣病の原因、とよく言われることですが、痩せ過ぎもまたあまり良くないようですね。さて皆さんはどう感じますか。なおこの研究報告は、CancerCausesControl2004に発表されたものです。
何事もほどほどと言うのが大切なことでしょうが、それが結構ムズカシイ・・・。

・WebMasterのつぶやき・・・・初めまして、川上診療所のホームページを担当している池田と申します。このところ、統計表の追加ばかりの更新で、がんの予防などに関するニュースをアップできず申し訳ありません。ニュース自体がないわけではなく、例えば「牛乳を500g飲むと大腸がんの予防に良い」というニュースはあるのですが、その詳しい内容が探せないために、ホームページに載せられないのです。やはり、ニュースをホームページに載せるには、そのニュースの元の論文なり専門誌の記事なりで、内容を確認して具体的な数値がわかって、説得力のあるページにできなければならないと思うのです。これからも、色々なニュースを探して載せていきたいと思いますので、気長にお待ちになって下さい。
医療情報担当の池田君は、開設以来の私の片腕。ホームページもどうぞご覧下さい。(院長)


・先月(8月)から診療時間の変更を実施いたしました。ご理解お願い申し上げます。

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