診療所通信
        Clinic News Paper
No.59
2004/6/1

/                 川上診療所
 わが診療所の橋本先生は、バーニーズマウンテンドックというとっても大きな犬を飼い始めました。生後3ヶ月にして体重は14kg。「もう、世話がたいへんです」と、言葉とは裏腹にうれしそうに私に言うのです。早朝のお散歩は彼の仕事だそうで、生活は規則正しくなって、ダイエットにもなって、そして「心のいやし」になると。宮内副院長も先月、ワンちゃんを飼い始めたそうです。シェルティーという愛らしい犬で、「娘ができたみたいな気持ち・・・」だそうです。二人とも超多忙な医師で当然ストレスも多く、だからこそペットを飼うんでしょうね。患者さんのQOLを語る医師たちは、まず自分と自分の家族のQOLを考えた方が良い。質の良い医療は、不健康な生活状態からは生まれないでしょうから。QOLとは「生活の質」のことです。手術をして助かった、だけど日常生活はダメになってしまった。それはQOLが低いと言います。下がったQOLを高めてくれるのは、時として人間ではないようですね。
我が家はと言えば、犬のぬいぐるみは何匹もいるのですが・・・。

・院長のお薦め病院・・・・先月号の「私のお薦めクリニック」に引き続いて第2弾、今回は病院についてです。その前に大病院について少し説明しましょう。大学附属などの大病院は、設備や人員などが充実している反面、細かな点で融通がきかなかったり何時間も待たされたり、それを覚悟で受診しないと「非人間的?」、ご本人も家族も一苦労と言うことになりかねないです。一方、中小の病院はそれぞれ工夫しているところも多く、千差万別です。公立と私立とでは雰囲気が随分と違いますし、一人の医者によって病院の評価がガラッと変わることも少なくありません。心臓が得意な00先生とか、胃が専門の00先生とか、そういうことになると病院全体の評価とはまた別です。ただそれが一般の人にはよくわからないですね。千葉市では井上記念病院や千葉医療センター(旧国立千葉病院)などは、お勧めできる病院と思います。東京では大病院がひしめきあっているのですが、聖路加国際病院などはいい病院だと思いますが。いきなり大病院、ではなくて主治医とよく相談して特徴を知ってから受診の方が良いでしょうね。
必要なときはいつでも相談に応じますよ。

・宮内先生のコラム・・・・乳がん検診に来られた50代前半の方、幸い乳腺には異常はなかったのですが、えらく汗をかきかき、おつらそうなので、更年期症状を緩和するには女性ホルモンの治療がよいとお勧めしたところ、かかりつけの内科医から、「ホルモン補充療法をすると乳がんになるので、のぼせや発汗くらい我慢しろ」と言われていたそうです。「どっひゃ〜!?」。更年期症状を劇的に改善してくれる薬だって、どうして真っ先に、その先生は言わないんだろうか。何千人に数人起こるかどうかという程度の副作用で、一番肝心な高い治療効果を、否定してしまって良いのかなあ。もうちょっときちんと何が大事か、順番を付けて患者さんに話すべきでしょ。今どき、犬だってもっと上手に順番付けますよ(うちのワンコに下に見られないように、権威を持って親バカしてますけど・・)。乳腺の専門医のお墨付きをもらったから安心してホルモン治療を受けてみますと、その方はうれしそうにお帰りになりました。
ホルモン補充療法と乳がんは、それほど強い関連はありません。過度に心配しないように。




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