診療所通信
        Clinic News Paper
No.55
2004/2/3

/                 川上診療所
 「涙そうそう」、沖縄のビギンというグループが作った曲がありますね。この歌を聴いていると、何故かバングラデシュのことを想い出します。抜けるような青い空、数えきれないほどの星空。この診療所を始める直前に、短期のNGOに参加して訪れた彼地。乳腺医療が何か少しでもできるかと僅かに期待を持って行ったのですが、言葉も通じず、日本人はほとんど居なくて、宗教や生活習慣もわからず、ただ何も出来ずに過ごした毎日でした。一晩中聞こえてくるコーランを聞きながら、同僚と語り合った時間が、あの時の夜空と一緒によみがえります。バングラデシュで学んだ言葉「Go to the People、Live with them(人々の所に行き、ともに生きよ)」は、今も私の信条です。言い換えれば、物欲しげで物質的な医療をやる気はないと言うことです。何処まで行けるか、何が出来るか、今もまだわかりませんが、とにかく目の前の患者さんたちと悪戦苦闘し続けようかと思っています。
2月、カゼやインフルエンザが多くなる季節です。みなさん、どうぞお大事に。

・塩分の摂りすぎは胃がんの原因・・・・厚生労働省の多目的コホート研究によると、食塩の摂取量が多い人ほど、胃がんのリスクが高くなるようです。研究班は、岩手・秋田・長野・沖縄の4地域で、男女約4万人の生活習慣に関する10年間の追跡調査を実施しました。その結果、食塩摂取量によって5つのグループに分けて比較したところ、男性については、食塩摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループの2倍以上胃がんのリスクが高かったようです。また、いくら、塩辛、練りウニなどをよく食べる人に、胃がんが多いこともわかりました。胃の中の塩分濃度が高まると、粘膜がダメージを受け、胃炎が発生し、発がん物質の影響を受けやすくなると考えられています。またヘリコバクター・ピロリ菌にも感染しやすくなります。研究班は、「胃がんの予防のためには、高塩分の食品を減らすことが重要ですが、総合的な食塩の摂りすぎは高血圧とも関連し、脳卒中や心筋梗塞のリスクも高めるので、薄味に慣れるように努力しましょう」と結んでいます。
脂肪の摂りすぎは、乳がんや大腸がんのリスクを高めます。さて、何を食べたらよいか・・・。

・仕事に復帰いたします・・・・私、検査技師の小坂英子は、1年半という長い産休・育休をいただき、育児業に専念して参りましたが、このたび復帰させていただくことになりましたので、この場を借りてご報告いたします。第2子(またまた女の子でした!)は、帝王切開で生まれました。思いもよらず手術を初体験することができ、手術を受ける患者さんの気持ちを知る良い機会となりました。また、新生児室で待つ娘へ運ぶ母乳が上手にしぼれず、乳腺炎をも体験してしまいました(この時は、看護師さんの「魔法の手」により、すぐに完治することができました)。今後は、こうした体験も活かして、患者さんにより近い目線で、仕事に取り組んで行きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
小坂さんは、診療所を開設したときからのメンバーです。女性が仕事をするということは、育児や家庭
と一緒にすることなので、大変なことです。また一緒に仕事が出来ることをうれしく思います。(院長)




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