診療所通信
        Clinic News Paper
No.51
2003/9/30

/                 川上診療所
 弁護士の渥美雅子さんは、年に2回、かならず6月と12月に、乳がん検診に来られます。それが今年は5月に来られた。さて何かあったかな、といぶかっている私に「子宮癌で手術することになったんですよ」と、いつもの笑顔であっさりとおっしゃる。「退院したらまた来ますね。乳がんのほうは大丈夫でよかった」・・・。そして6月に手術。闘病記「子宮癌のおかげです」を7月7日に書き上げ、すぐに仕事に復帰。あんまり無理しない方がいいよと思いつつ、彼女ならやりそうだ、いつも前向き、パワフルだからなあ。この本もそういう彼女の明るいメッセージに溢れています。同時に、冷静な分析力で、病気の医学的な解説や術後の過ごし方や生命保険のことまで、丁寧に取り上げられていて脱帽です。一口に闘病記と言ってもいろいろあります。それぞれに作者の生きる事への想いやメッセージがいっぱい込められていて、ノンフィクションであるがゆえに飾る言葉も少なくて、まるで自分の親しい人と話しているかのようです。病魔とか闘病とか、あまり深刻なのはいやだなあと思っている方も、一度お読みになってみてはいかがでしょうか。
この秋ますます忙しくなっちゃって疲れ気味です。乳がん検診ちゃんと出来る所が増えてほしいです。

・ストレスで結腸がんのリスク増?・・・・名古屋市立大学などの研究グループが、「ストレスを感じている女性は結腸がんで死亡するリスクが1.7倍高い」ことを発表しました。全国45市町村の男女81580人を対象に1988年から約10年間追跡調査し、「ストレスが多いと感じる」、「生活を楽しんでいる」等の生活態度と、大腸がんによる死亡との関係を調査しました。その結果、男性はストレスを表に出さない人が多かったためか、ストレスの感じ方で差は出なかったそうですが、女性では「日常ストレスが多い」人は、「ストレスを感じていない」人よりも1.7倍も結腸がんで死亡するリスクが高かったそうです。ストレスを感じる女性は、飲酒や喫煙の割合が高く、睡眠時間が短く、便秘の傾向があるそうで、逆に「生活を楽しんでいる」と感じている人は、大腸がんによる死亡のリスクが低い傾向にあったそうです。
それはそうだろう、と思います。問題はそのストレスをどう減らすか、でしょうね。

・宮内副院長のひとりごと・・・むぅ〜敵ぃのぉ我ぇ〜らぞ、阪神ぃ〜んタイガぁ〜ス♪リーグ優勝おめでとう。前回の優勝は18年前、怖いモンなしで毎日が楽しくて仕方なかった医者3年目の頃。18年で何が変わった?体重18kg増、白髪も18本以上増加、18分前に会ってた人の名前がでてこないし、TVで唄ってる若い歌手はみ〜んな18歳の同じ顔に見える。上手に世を渡るはしごのかけ方も18通りくらい覚えた代わりに、責任も18くらい増えた。何よりあのころ抱いていた夢が18個くらいなくなって、そのうちの幾つもが実現しないまま知らないうちに自分の中から消えていることがくやしい!?戻ってみたいなぁ、あのころに、身も心も・・今自分が背負うものを放り出せなくても、もう一度夢が一杯詰まったカバンを背負う「元気」は取り戻したいですね。やっぱりスポーツはいろんなエネルギーの供給源です。ありがとう阪神タイガース。(しゃあけど18年は、なんぼなんでも待たせすぎでっせ!ほんまに!!)
阪神ファンの宮内先生。日本一になっても河に飛び込まないでね。




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