診療所通信
        Clinic News Paper
No.50
2003/9/2

/                 川上診療所
 このところ雑誌やテレビからの問い合わせが多くなったような気がします。大病院とはまた違ったこのような形態の診療所がめずらしいからでしょう。私はテレビや雑誌をあまり見ないほうなのでよく分からなかったのですが、取材をする現場の人たちの熱心さには大変驚かされます。いいものを作りたいと努力しているんですね。「高名な大先生ではなくて、本当に実力のある医師を教えて下さい」と、ある記者の方に問われました。それはみんなが知りたいことですが、難しい質問です。私にはうまく答えられませんが、努力している現場の医師や市中病院はあります。全然参考になりませんが、私自身が重大な病気になったら、普通の病院で診てもらおうと思っています。ただし親身になって取り組んでくれるところを望みます。ひとが考える善し悪しの評価は、実に千差万別なのでやはり難しいですね。この診療所も普通の医療が出来るように、頑張っていきたいと思っています。
この夏、たくさんの方から暑中お見舞いや激励のお便りをいただき、本当にありがとうございました。

・太りすぎは要注意・・・・厚生労働省の最新データ「がん罹患数・率全国推計値1998年」によると、女性のがんでは、乳がんがやはり今回も一番高く43.6でした(年令調整がん罹患率)。あいかわらず乳がんは増加の一途です。子宮がんは23.9、卵巣がんは8.3、胃がんは33.7と、これらは増加していません。また大腸がんは乳がんと共に増えていて、36.5と第二位でした。アメリカがん協会が行った大規模調査によると、太りすぎの人は、心臓病や糖尿病だけでなく、がんでの死亡率も高くなると警告しています。これは1982年から1998年までの16年間にわたって、90万人もの人を追跡調査した結果わかったことです。BMI値が正常範囲を超えていると、がんで死亡する恐れが高くなり、特にBMI値が40以上の超肥満の場合、がん死亡率が男性では52%、女性では62%も上昇するとの結果を報告しています。秋に向けて、食事のとり方や運動法などご一考されてはいかがでしょうか。
いきなりダイエットではなく、まず間食や果物を減らすことから始める、これがいいと思います。

・故郷で過ごしたお盆・・・・先月、一週間の夏休みをいただいて、私の故郷である島根に帰ってきました。夏休みを実家で過ごすことなどここ何年もなかったので、久々に地元を満喫しようと観光地巡りをしてみました。慣れ親しんでいた城下町のたたずまいから、子供のころよく遊んだ海、遠足で行った出雲大社、夏になると家族みんなで渡った隠岐島、ちょっと足をのばして鳥取砂丘・・・。小さかったころは何でもなかったものが、今となると(この歳になると?)大きな感動に変わり、透き通る海は格別にきれいで、島の景色の美しさにはただただ興奮してしまい、出雲大社の壮大な造りはこんなにすごかったのかと絶賛!でした。地元にいたから特別なものとは感じなかったのでしょうが、自分の感性が大人になったのだなあと気づいて、また「子供の頃に行ったあそこ」を見つけては、昔と違う大人の感動を味わうこともできました。お盆のころは雨続きで天候には恵まれませんでしたが、いい夏休みが過ごせました。また来年も故郷、行きたいです。
お年ごろの検査技師、荒川明子28才、でした。




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