診療所通信
        Clinic News Paper
No.48
2003/7/1

/                 川上診療所
 開業医というものは地元とたいへん密着しています。診療以外の時でも、例えば、子供と商店街を歩いていたりすると、何人もの人に声をかけられます。総菜をおまけしてくれたり、おいしいラーメンを作ってくれたり、とってもありがたいです。自転車店の兄ちゃん(実は選手)が、レースに誘ってくれるとか、女子高校生が、診療所にわざわざカレシを連れてきたり、本業の医者以外でも何かと「地域との関連」があります。だいぶ以前のことですが、診療に来られなかったある患者さんの診察をご自宅でやったことがあります。家族が囲むちゃぶ台のわきで、白衣も着ずに乳がん検診をして、「よかったらお食事いかがですか」と言って下さったのですが、丁重にお断りして帰りました。生活と病気は、多くの人々が想像している以上に深い関係があるだろう、なんて考えながら「あの家族は大丈夫だ」と、ちょっと非医学的な感想を持ったのですが、実は今もそう思っているんです
自転車で通勤しているとバスから患者さんも見ているので、信号無視はもちろんいたしません。

・4年間の実績は・・・・早いものでこの7月で、診療所を開設して4年が経ちました。約9200人の新患の方が来院されました。ご家族で来られる方も多くなったような気がします。開院当時は、月に400人ほどの患者数でしたが、今は1700人くらいの方が来られます。ホームページのアクセス件数は約74000件(1年前は42000件でした)。乳がん患者さんは通算340人になりました(新患診断数)。スタッフの陣容は、副院長の宮内先生、専門医の橋本先生、アドバイザーとしての診療もされる小倉恒子先生、婦人科の赤倉早苗先生、甲状腺や内科疾患では布施まなみ先生をはじめ、N先生、伴先生、龍野先生と実力のある医師たちが担当しており、診療体制としてこの点ではちょっと自負しております。しかし、改善しなければならないことも多々あります。意味のある診療活動を続けて行くこと、初心も忘れずにスタッフ一同、5年目をがんばって参りたいと思います。
待合室の椅子が女性には高いとのご指摘を頂きました。近々善処いたします。

・日本乳がん学会に行って来ました・・・・先月12日から13日にかけて、年に1度の日本乳がん学術集会、いわゆる「学会」がありまして新潟に行って来ました。この学会には、乳がんの治療に携わる国内の医師や医療関係者8000人が入会していて、その内の3000人が参加したそうです。医師だけでなく、看護師、臨床検査技師、診療放射線技師などが参加していて、乳がんの医療をみんなで発展させていこう!という熱意が感じられました。学会では、3年前から「看護セミナー」という企画があって、2日目の午後1時から4時までの3時間、医師の講演と看護師による研究報告が行われました。私は看護師として第1回のセミナーのころから、陰ながらお手伝いしてきたのですが、今年は世話人としての仕事をいたしました。いろいろな病院の看護師さんと意見交換できたことも楽しく有意義でした。乳がんを学ぶ看護師さんのために、私たちの書いた教科書「ナースのための最新乳癌テキスト」(分担執筆)を、よく読んでくれていて「まだまだがんばらなくっちゃ」と奮起した2日間でした。
新潟観光が出来なかったのが、ちょっと残念でした・・・。阿部恭子(看護師)




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