診療所通信
        Clinic News Paper
No.47
2003/6/3

/                 川上診療所
 講演会などたくさんの人の前で話す時、終わった後で不十分だったなあ、伝わったかなあ、と反省することがあります。音楽もオーケストラよりも室内楽の方が、リラックスできるように、講演も数十人規模がいいかなと思います。学校の教室もそのくらいの人数なのは、全員に目が届く範囲だからでしょうか。診療所では、毎年7月に「所内講習会」をやっています。今年で4回目、毎回いろいろな方々に講演をお願いして、聞きに来られる人ばかりでなく、主催の私も楽しく興味深く聞かせてもらっています。今回は、上野 創さん、宮尾陽一さんの2人にお願いしました。上野さんは、朝日新聞の現役記者で、自らの体験を記した「がんと向きあって」の著者です。ご存じの方も多いでしょう。宮尾さんは、町立軽井沢病院の院長で、一緒にバングラデシュに行った私の親友です。個性豊かな演者たちから、室内楽のような雰囲気で、どんな話が飛び出すことやら、楽しみです。
診療所は狭くて人数を限らせていただきますので、ご希望の方は早めに受付にご予約下さい。

・公開講演会のご案内・・・・研究会、講演会にも大小いろいろあります。6月に千葉で開催される乳がんに関するものを少しご紹介しましょう。どなたでも参加できますよ。
あけぼの会千葉支部公開講演:「乳がんと見張りリンパ節生検」講師は宮内 充先生。日程場所は、6月22日(日)10時から12時。千葉大学(西千葉キャンパス)社会文化科研究科棟1階マルチメディア講義室。参加費・資料代は一般1500円。問い合わせ:047-483-7124(あけぼの会千葉支部事務局)。同会では講演会以外にも様々な活動を行っています。
第28回千葉乳腺疾患研究会:今回の主題は「乳がんの代替療法について」です。特別講演は奈良林 至先生(埼玉医大臨床腫瘍科)。日程・場所は6月28日(土)14時から。千葉県教育会館新館大ホール。参加費は500円。問い合わせ:043-231-1171(ちば県民保健予防財団内・千葉乳腺疾患研究会事務局)。代替療法とは、いわゆる民間療法のことで、今までは全国学会や研究会で取り上げられることはほとんどありませんでした。
医学の会合はいっぱいあって、全部に参加すると診療が出来なくなるほどです・・・。

・宮内副院長の心臓?・・・・学校の理科で「心臓の構造と働き」が難しくて解らないと言うウチの子供たちに、心臓と肺と全身の絵を書きながら講義をした。「な〜んだ、理屈が解れば簡単じゃん、さすが医者!」などとからかわれても(親をからかうなっつうの!)医療者と父親の両方の面目躍如でニヤニヤしつつ、ハタと考えた。心臓の構造と機能を説明する「医学」は「理屈」で良いけれど、どうやら今は「医療」まで「理屈」で済ませようとする医者が多すぎやしないかと・・「この治療法の生存率は何%、薬の副作用が何割に出現し効果は何人に一人」・・そこまでは「医学」であって、それだけじゃ「医療」にはならない。「だからこの治療であなたの病気を治すお手伝いが出来るよ、がんばって治療しよう」ってのが「医療」だろう。「医学」は理屈、「医療」は・・心臓の話題だけに・・「ハート」かな。(そっか、医学部では理屈は教わったけど、ハートは教えてくれなかったなあ。妙に納得。)
宮内先生の語り口、面白いですね。彼のホームページは話題満載です。どうぞご覧下さい。




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