診療所通信
        Clinic News Paper
No.30
2002/1/1

/                 川上診療所
 昨年12月に雅子様に女の子が生まれました。敬宮愛子というお名前だそうですね。わが診療所の押田先生にも、女の子が生まれました。どんな名前をつけるのか楽しみです。親はきっといろいろな思いを込めながら、名前を付けるのでしょう。蛇足ながら私は義弘といいます。これがけっこう発音しづらいので、自分の子供たちには、呼びやすさを第一に考えました。診療所に来るある患者さん、妊娠中に乳腺炎になって、その治療にちょっと苦労したのですが、なんと生まれた男の子に私と同じ義弘という名前をつけたとのこと。私、絶句してしまいました・・・。さて、年頭所感。子供たちにとって、またこれからの未来を生きる若い人たちにとって、良い時代であってほしいものです。それを私たち大人は創っていかなけらばならないですね。診療所も今年3回目の春。がんばります。
「Go to the People,and Live with Them:人々のもとに行き、共に生きる」これが私の診療理念です。

・乳がん検診についての雑感・・・・日本の乳がん検診もずいぶんと変わってきました。諸外国では、いわば常識のマンモグラフィですが、日本では“乳がん検診の新兵器”としてテレビで紹介されています。私がこのマンモグラフィの研究に取り組み始めたのは、もう20年近く前のことです。当時はまだ性能が悪くて、しかしそれでも、手では触れないような小さながんを見つけることができました。その後、研究が進み6年前に千葉県では全国に先駆けて、このマンモグラフィを集団検診に導入しました。千葉県は、早期乳がんの発見率が全国でもトップクラスなんですよ。最近は、乳がん診断のトレーニングをつんだ若い先生方も多くなり、その点では心強い限りで、ようやく日本の乳がん医療も、世界水準に向かい始めたというところです。さて、次の課題は何でしょう・・・。
日本が世界に誇る診断技術に超音波(エコー)があります。これを集団検診に導入する、目下準備中です。

・笑う門には福来たる・・・・ 笑うことでNK細胞が増えるって知ってますか? NK細胞(ナチュラルキラーセル)とは、人間の身体の中で絶えず発生しているがん細胞をやっつけてくれる免疫細胞のことで、その働きをNK活性といい、免疫力の強さを示します。NK活性は緑黄色野菜を食べたり、適度な運動で高くなります。逆に、喫煙や肥満で低くなります。おもしろい研究があるのでご紹介しましょう。教養番組とお笑い番組を、見る前と見た後のNK活性を調べた結果、お笑い番組では、平均26,5%から29,4%に上昇したが、教養番組では、平均27,1%から24,8%に減少したそうです(関西福祉科学大)。どうやら高い薬で免疫力を上げたいと悩むよりも、笑って過ごしていた方が良いみたいですよ。
節度ある食事、適度の運動、明るく過ごす、こういう基本的なことが、実は難しいんですね。


多くの皆様から新年のご挨拶状を頂きました。心からお礼申し上げます。 スタッフ一同

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