診療所通信
        Clinic News Paper
No.29
2001/12/4

/                 川上診療所
 先日、手術後の患者さんが、ある資格試験に合格したと報告に来られました。彼女は若くして病気になった。仕事と家庭と治療とを、うまく切り抜けていくことは、言うはやすく現実的には大変困難なことです。通院中は職場での居場所がないと感じ、くじけそうになってしまう。そんなときに病気が再発、そしてまた手術・・・。私はいつも思うことですが、困難は人を弱くもするが、また強くもする。医者の仕事は、その弱った人を支えることです。いま彼女は、さらに仕事に磨きをかけキャリアを積み、毎日元気にすごしています。・・・ところで僕は子供の頃、注射がいやで、近所の診療所の先生を手こずらせてばかりいました。医学部に入学し御挨拶に伺ったとき、先生はいつも通りにこりともせず、ただ大きく2度、うなずかれました。一聞十知、名医の極意には今もとうてい及びませんが、もう30年近く前の毅然とした医師の姿を、懐かしく思い出しました。
医者になって良かったなあと思うときが時々あるんですが、それはこんな時なのです。

・夜更かしは乳がんのもと?・・・深夜に起きている人は、乳がんが多い、という研究があります(Journal of the National Cancer Institute 研究報告)。人間にはメラトニンと呼ばれる「睡眠ホルモン」が分泌されていて、深夜の1時〜2時に分泌量がピークに達します。その時間に光を浴びるとメラトニンの分泌が悪くなる。このメラトニンにはエストロゲン(女性ホルモン)を調節する働きがあって、メラトニンの分泌が不十分だと、エストロゲンが増加します。エストロゲンの異常増加は、乳がん細胞の増殖を促進しますので、結局、乳がんの危険因子が高くなるというわけです。女性にとって、夜更かしは美容の大敵だけでなく、乳がんの危険を高めるもと、らしいですよ。  
乳がん自己検診は、そっと押すように触ってみましょう。掴むとみんなしこりのように感じてしまいます。

・今年の10大ニュース(診療所版)・・・・ @技師の高橋さん、看護婦の小川さん、女医の押田さん、3人のおめでた(1年間に3人とは!・・・)。A第2検査室の増設(と事務所の移転。しかしもう手狭になってしまいました)。B橋本先生15kgのダイエットに成功(いつまで続くか)。C4月、新人技師さん2人の採用(斎藤さん、大下さん、激務によくがんばりました)。D龍野先生の骨粗鬆症外来を新設(今年から市骨粗鬆症検診も始まりました)。E宮内先生の乳腺外来を新設(副院長先生、がんばってください)。F7月に開設2年目の所内講演会を開催(また来年もやります)。G看護婦の吉見さんの結婚(末永く仕事は続けましょう)。H放医研との共同研究開始(世界的な大研究なのですよ)。I院長8月に大雪山自転車走破(メロメロになってしまいました。でもまた行きたいです)。
来年は良い年になりますよう、心からお祈り申し上げます。スタッフ一同


・インフルエンザ予防接種を受け付けます。ご希望の方はお申し付け下さい。

診療所通信の目次に戻る