診療所通信
        Clinic News Paper
No.25
2001/7/31

/                 川上診療所
 月1回のペースで気楽に書きはじめた診療所通信も25回になりました。みなさん結構まじめに読んで下さっていて、おまけにホームページもじっくり目を通していたりして、だから診療所のことがみんな透けて見えてしまうようです。小さな診療所(英語ではクリニックと言います)は、構えずに来れて、話がしやすくて、一人一人の顔を見ながらの医療ができる場です。こういう医療をこれから若い人たちが担って行ってほしいと思います。診療所に来る子供たちに「大きくなったらお医者さんになって、いっしょにやらないかい?」とよく話します。医療はとっても大変な仕事ですが、誰かがやらなければならない奉仕的な仕事です。そのことを理解できる人が、今の日本には少なくなったように思うのですが、気のせいでしょうか。教育をあずかる大学の先生方は、どう感じているのかな。
お盆の週は、職員の休息もあり少し休診させていただきます。どうぞご了承下さい。

・2年目の診療実績・・・・開院して2年が経ち、約4000人の新患の方が来院されました。外来延べ人数は約18000人、所内手術件数は131例、ホームページ来訪者21000件というような数字になりました。県外からも、東京や神奈川をはじめ、遠く青森や沖縄から来られる方もいらっしゃいました。所内で行う乳がんの手術は、通常いままでは入院(2〜3週間)して施行されていたものを、「日帰り」で可能なように改良した方法で行います。この方法でこの1年に38人の方の手術を行いました。皆さん合併症もなく、お元気でいらっしゃることが、何より嬉しく思います。学会や研究会、講演会も昨年より増えて、また他病院への出張手術も多く、だんだんゆとりがなくなってきたことを実感します。待ち時間を短く、診療の質を低下させず、そのための対策を3年目の課題として取り組んでいきたいと思います。
医師やスタッフの増員、新機材の導入、建物の増築、実は頭が痛いんです。

・所内講演会・・・ 7月14日に開かれた院内講習会には、暑いさなか、2階フロアがいっぱいになるほど多くの方が来られました。看護婦の私は聴講者の一人として、たいへん興味深く聞かせていただきました。龍野先生の骨粗そう症のお話は、外国との治療法の違いはあるものの、欧米の食生活に慣れてきた日本人にもあてはまることと痛感しました。小倉先生はご自分の乳がん体験をもとにお話しされ、どんな風にがんと共に生きるのか、ということがとてもよく分かりました。医師として、患者として、一人の人間として、ご自分を素直に表現している先生に、お会いできてよかった。3人目の講師の加瀬川先生は、心臓という人間の命に直接関わる病気と向き合っている外科医。死ななければそれで良いという心臓大血管の手術ではなく、その後の患者さんの生活をも考えた新しい治療法についてお話して下さいました。“患者さんの立場に立って”考えてくれる先生たちがいらっしゃること、心強いですね。
患者さんの立場に立つ看護婦をめざしてがんばります。 山部幹子(看護婦)


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