診療所通信
        Clinic News Paper
No.17
2000/11/29

/                 川上診療所
 わが診療所にはいろいろな方が来られます。二階の待合いはまるで子供たちの遊び場のようになる時もありますし、もうすぐ100歳という方も来られます。一番遠くから来る患者さんは石垣島(沖縄から350km南にあります)からの方ですね。彼女は今年68歳。ずっとフツウの生活をしていましたが、自然好きが昂じて8年前に島での自給自足の生活を始められたそうです。その穏やかな笑顔はたいへんに魅力的です。畑を耕し、海に潜って魚を捕り、島の人たちと協力しながら嵐に耐え・・、そんな生活をこれからも続けられるように、と言うのが彼女の注文でした。100人の患者さんには100通りの人生と生活があって、治療はみな同じ、とはいきませんね。現代医学のスタンダードを基に一人一人の治療計画を作っていくこと、これぞ臨床医の真の仕事なのだと思うことしきりです。
いつか子供も連れて石垣島に遊びに行きたいものです。

・第10回日本乳癌検診学会・・・ 乳がん検診に関する学会が年に1回開催されますが、今年は11月1・2日仙台で行われました。紅葉の杜の都での発表に気分も高揚気味で、当日6時52分発の新幹線に乗るために4時半起き、この日に合わせて新調したスーツに身を包み、大事な大事な資料と原稿を抱えて家を出ました。一人ぶつぶつと原稿を暗唱しつつ、決められた時間内でこの内容をうまく理解してもらえるだろうか、いや理解してもらえるように説明しなくてはと、自問自答を繰り返すうちに、いつのまにか仙台国際センターに到着していました。「非浸潤がんの術中超音波検査」というテーマで口演し、手では触れない肉眼では見えない小さな小さながんを、いかに正確に手術するか、についてかなり高度な内容の質疑応答を行いました。たくさんの先生方が聞いて下さり、また他の方の発表も勉強になり、とても充実した2日間でした。唯一の心残りと言えば、仙台に行きながら名物の牛タンを食べ損ねたことです・・・。
休む暇なくすぐ仕事でした。小坂英子(臨床検査技師)

・はじめまして・・・ 看護婦の小川です。この6月にミレニアムウェディングもあって今年は良い年でした(おめでとう:スタッフ一同)。子供の頃からの夢が叶ってなった看護婦です、専業主婦は4ヶ月でおしまい、8月から仕事に復帰いたしました。内科を6年(神経内科、消化器内科)、がんセンターで集中治療室(ICU)を1年経験しました。乳腺・甲状腺の看護は初めてで、現在3ヶ月が経ちましたが学ぶことばかりです(いいえ心配はいりません。スタッフはみなベテランばかりですから)。こんな私ですが、女性として看護婦の立場だけでなく、一個人としても解ることもあるだろうと思います。川上先生のご指導と診療所に来られる皆様から、いろいろ教わりながらがんばっていこうと思っています。至らない点もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
私の娘の誕生日にチーズケーキを焼いてくれてどうもありがとう(院長談)



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