診療所通信
        Clinic News Paper
No.16
2000/11/1

/                 川上診療所
 わが診療所の小倉恒子先生(『女医が乳がんになったとき』の著者)は、今年で術後12年になります。ご専門は耳鼻科です。唾液の出が多すぎてずっと悩んでいた患者さんが、目から鱗が落ちるようにやっと分かったとたいそう納得して帰られた、そんな名医であります。また乳がんで悩んでいる方には、私の傷はこんな感じと創を見せ合いながら、患者さんを励まします。時に私の手術の手伝いをしてくれたり、ご自分が受ける抗がん剤治療をいっしょに計画したり、文字通り患者の気持ちが分かる医者ですね。彼女はダンスが趣味で、診療所の昼休みにはスタッフたちに踊りの指導をしてくれます。私は大病院とはひと味違う、ナマミのわかりやすい医療をやっていきたいと思っています。それに協力してくれる人たちがいること、うれしいことじゃありませんか。
オリンピックばかりではありません。日本の女性は本当に強くなりましたね。

・診療科目って何でしょう・・・病院や診療所には外科、内科、小児科などの「標榜診療科目」というものがあります。一般に外科の先生はケガを縫う以外に胃腸の具合が悪いひとなどの診療(消化器科)もします。整形外科の先生は、骨が折れたり関節炎や腰痛など、主に骨と筋肉の治療をします。内科医は全般に何でも診察をしますが、カゼを診るのは、小児科医や耳鼻科がうまいようですよ。さて最近は、この診療科目にあてはまらない病態の患者さんが多くなってきて、「女性科」とか「更年期科」さらには「総合科」などの看板も出てきているようです。どこに行ったら良いのかよく分からない、という方には何科の先生でもよいからホームドクターを持つことをお勧めします。ホームドクターを通してそれぞれ適切な専門医を紹介してもらうという方法です。ちなみに「乳腺科」も「甲状腺科」も、厚生省の標榜科目になっていないため、日本にはそういう科名は今だにないのです。
 「専門医」という資格もありますが、これはもっと分かりづらくて・・・

・秋深し・・・ 暑かった夏が終わり、涼しくよく眠れる季節になってきました。人間にとって睡眠は、酸素や水と同じくらい必要なものですが、ただ眠る時間が長ければ良いというものではありません。睡眠には「身体が眠る」レム睡眠と、「脳が眠る」ノンレム睡眠とがあり、眠っている間この2つが交互に繰り返されます。睡眠リズムのサイクルは、人によって違い、それが睡眠時間の差になります。4時間ですっきりする人、8時間以上眠らないと翌日がつらい人など様々です。また、女性ではホルモンの関係で睡眠の状態が変化することもあります。大切なことは、自分の睡眠リズムやホルモンバランスの変化を知りうまくつき合っていくことです。月経や更年期による不調は、病気ではないけれど、適切な薬や生活の工夫で乗り切って行けるものなのです。
看護婦という職業、この真っ当な生活リズムが難しい・・・山部幹子(看護婦)



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