診療所通信
        Clinic News Paper
No.15
2000/10/3

/                 川上診療所
 いきなり私事で恐縮ですが、僕は水泳と自転車が好きです。人にはいろいろな趣味があって、スポーツ、読書、旅行、みんないいですね。水泳は、全身の筋肉を伸展する運動で関節に負担が少なく、心肺機能にもたいへんよろしい。それは分かっているけれど、どうもおっくうだし、髪が濡れて面倒だし、だいいち泳げないし・・、とか言っていないでやってみるといいですよ。気持ちいいから。70代で泳いでいる人ってかっこいいです。自転車はサイクリングに行って、自然の中を、知らない街を、走ってみると心も体もリフレッシュできます。ヨーロッパでは、自転車でアルプスの峰を登っていく人が多いんだそうです。バスや電車にも自転車といっしょに乗れるんですって。地域と文化と、そして健康も、そこに住む人たちが作っていくものなのですね。
がん治療後3年目の今年、ツールドフランスに優勝したアームストロング選手に祝福を。

・高脂血症について・・・ コレステロールについて気になる方、たくさんいらっしゃいます。コレステロールには善玉(HDL)と悪玉(LDL)があって、悪玉LDLコレステロールが多いと要注意です。基本検診などでは、総コレステロール(悪玉、善玉など全部の合計値)が記録され、この正常値は220以下です。もしも220以上あっても、悪玉LDLが低ければ心配ありません。悪玉コレステロールの計算方法は、(LDLコレ)=(総コレ)−(HDLコレ)−(中性脂肪値の5分の1)です。この正常値は140以下。検査結果をよく見て、自分でも検討してみましょう。では140以上の場合、みな薬の治療をするかというと、そうでもありません。動脈硬化や心筋梗塞の家系があるか、食べ過ぎはないか、数値は上昇傾向か、などを考慮しながら、それぞれの人の治療計画をたてていきます。判で押したように薬を出す、ではないのです。『診療手帖』には毎回の検査結果を添付しますので、参考にしてはいかがでしょうか。
 LDLコレステロールが多い食品は、貝、イカ、イクラ、卵の黄身などですね。

・みんなの老人医療・・・ 私の母は、今年で70才になりました。めでたく(?)老人医療受給者証を手にしましたが、医療費が1日530円になったことや、薬の負担金がなくなったことに戸惑いを感じて、病院や薬局では、ついつい謝ったりいいわけをしてみたりしているようです。この診療所の窓口でも、70才を過ぎて急に支払う金額が少なくなったことに、とても恐縮され何度も何度も謝られる患者さんがいらっしゃいます。「530円きりじゃ申し訳ないわ」「いえいえ、当然のことなんですよ」。そんな会話を交わすとき、郷里の母のことを思い出して、心から願わずにいられない気持ちなります。「どうぞ、いつまでもお元気で・・・」
受給者証をもらうのは、あと何年後かしら  藤井美保(医療事務)

・基本検診やがん検診も皆さんの税金で行われています。無駄にせずに受診しましょう。

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