診療所通信
        Clinic News Paper
No.130
2010/5/1

/                 川上診療所
 私は東京生まれ。千葉に来たのは大学からですので、かれこれ40年になってしまいます。白状しますと、若かりしころはこんなに長くいるとは思いもせず、従って千葉という地域にあまり関心を持ちませんでした。外房の鴨川と内房の保田をむすぶ長狭街道という道があります。先日、この街道をドライブする機会に恵まれました。○○ハイウェイなどと名の付く道ではない普通の生活道路ですが、なんと素晴らしいことか。こんなに穏やかな里山が、こんな身近にある・・・、その発見がうれしかったです。整然と積み重なる棚田、川沿いに桜の街路樹、ゆっくり走る地元の軽トラック・・・。これから初夏にかけ丘陵には新緑が芽吹き、さらに瑞々しくなることでしょう。魚も米もおいしい。地方の疲弊、高齢化、医療格差と言いながら、地域のことをよく知らないでは恥ずかしい。もっといろいろ知りたいと思う今日このごろです。
私のクルマは高級車ではなく「高齢車」、ゆっくり走ります。

乳がん検診受診率・・・・右の表は、乳がん検診受診者数と受診率を都道府県別に示したものです(政府統計:平成20年度)。マンモグラフィ検診受診者の多い県の上位10県を並べました。毎年、千葉県は受診者数で全国1位です。若年者のエコー検診も千葉県は盛んです。しかし日本全体でみると、がん検診受診率は世界的にまだまだ低い。やはり検診は怖がらずに受けることをお勧めします。

受け付けの安川です・・・・ 小学校の離任式で、生徒代表に私の娘が選ばれました。今でこそ「しっかり者」ですけど・・・。5年前の入学式のことです。新一年生は担任の先生に名前を呼ばれたら「はい!」と返事して起立することになっていました。だんだん自分の番が迫ってきた娘は緊張して、とうとう泣き出してしまいました。驚いて駆けつける先生たち。私にしがみついて泣いている娘。新一年生に中でたった一人だけ「はい」が言えなかった。私はこの先、この子はどうなるのだろうと不安でいっぱいでした。しかし娘は5年という年月をかけて成長したようです。困難なカベがあっても、一歩一歩登って行った。何百回も悔しい思いをして泣いたことでしょう。そしてやっとがんばって「しっかり者」を手に入れたのです。「離任式ではちゃんと感謝の言葉を言えたの?」と聞いてみたら、「泣いちゃったよ。ママ」と返事が返ってきました。「別れるのが悲しくて泣いちゃったけど、ちゃんと最後まで言えたよ!」。もう弱虫なんかではない娘の優しい涙が、頼もしく思えました。
良かったですね。お子さんも、親も、がんばりました。(院長)

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