診療所通信
        Clinic News Paper
No.13
2000/8/1

/                 川上診療所
 アメリカからFAXが来ました。川上診療所ホームページをご覧になった方からです。異国の地で体の具合が悪くなると、細かいニュアンスがなかなかドクターに伝わりにくいらしく、不安な気持ちもあって、見ず知らずの私に連絡したのでしょう。FAXの文面を頼りに何とかお返事を書きました。インターネットをはじめ通信機器の発達で、世界がどんどん狭くなり、最新情報が居ながらにして手に入る、まさに近未来的な世の中になった観があります。私の診療所にもホームページを見て来院される方が、少なくありません。しかしどんなに情報網が発達しようと、相談の中身や診療の内容は昔とあまり変わっていないようにも思うのです。だって戦国時代も今も、お腹が痛いときは痛いのですから、ね。
アメリカのIさん、その後いかがですか。どうぞめげずにがんばって下さい。

・1年間の診療実績・・・ 『開設以来の1年間で、約1800人の新患の方が来院されました。外来延べ人数は約6500人、手術件数は54例、ホームページ来訪者5500人というような数字になりました。所内で行う乳腺の手術は、いわゆる最先端の方法で、日本国内では取り組んでいる施設はまだ少なく、従って多くの専門医の協力の上にはじめて実施し得る術式にトライしました。一方、数字やデータでは表せない忘れ得ぬ出来事もたくさん経験させていただきました。診療時間後の夜を徹しての治療や、帰宅後も目に浮かぶ患者さんのさり気ない微笑みや涙、10代の子供たちの真剣な生活姿勢に接したり・・・、とにかく「診療所を開いて良かった」と思うことがいっぱいの、この1年でした。
一方、経営の方はいまいちで・・・いけませんね。院長

・所内講習会・・・ さる7月15日、診療所内で講習会が行われました。赤倉先生(婦人科)、内田先生(内科)、鈴木先生(外科)の3人の先生方が、ホルモンについてそれぞれの専門分野から、わかりやすくスライドとプリントを使ってお話して下さいました。女性ホルモンと甲状腺ホルモンという重要な2つのホルモンが身体にどのような影響を及ぼすのか、どういう仕組みで病気を治療するのか、よく分かりました。乳がんが日本人に多くなってきていることや、気づきにくい甲状腺の病気など、女性の生活の中に深く関わり合っているホルモンのことについて知識を深めることは、病気ばかりではなく日常生活を健康に過ごす上でも大切なことです。また検診の必要性についてのお話もあり、これを機会に自分の生活について考えてみることにしました。進歩している医学と専門的なアドバイスが得られるようになってきた最近の医療の広がりを今回の講習会で実感しました。職員として、患者さんへの知識提供という点からも大変勉強になり、次回がとても楽しみです。
3人の先生方、本当にありがとうございました。 山部幹子(看護婦)
・所内講習会などのイベントは、またいづれ企画させていただきます。
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