診療所通信
        Clinic News Paper
No.127
2010/2/1

/                 川上診療所
 もう何年も前から、私は昼食を食べません。かつてがんセンターに勤務していたころ、昼食をとる時間がなくて「昼抜き」の習慣になってしまい現在までそれが続いているということです。最近ではトシのせいか空腹感も湧かないのですが、もちろん、朝・夕はおいしく食べていますので病的ではないと思っています。一方、私の息子はいわゆる食べ盛りです。おなかがすいてくると、口数が少なくなって、元気がなくなり、ボーっとしています。だから一緒に自転車で出かけると「おなか空いたのか?」と私は聞いてばかりいることになります。世界の食生活を見ると、肥満に悩む社会もあれば、飢餓に苦しむ国も未だ少なくない。毎日の診療室では「ほんの一口食べたいのにコレステロールが気になって・・・」と慎ましいことをおっしゃる患者さんもいます。今月は栄養学の先生には怒られそうなことを書いてしまいましたが、寒いこの季節、おいしい食事をとって、身も心も暖かく、ついでに免疫力も高めましょうね。
受験生の皆さんとご家族の方々、体調管理にも心して下さいませ。

入院にかかる自己負担額・・・平成20年度の社会医療診療行為別調査から、主要ながんについて、入院にかかる自己負担額を計算してみました(自己負担は3割で計算。また、保険外の差額ベッド等の費用は含みません)。どのがんも入院日数は年々短くなって来ていますので、負担額も少なくなる傾向にあります。乳がんでは、入院が約15日で、自己負担額が約18万円となっています。

受け付けの安川です・・・・ガラ先生とは某銭湯で出会った。大きな水槽の中にいた彼らの本名はガラ・ルファ。トルコ地方の温泉に住んでいるコイ。500円払うと足の角質を食べてくれるという。私はさっそく足を入れようと水槽の前に座ったが、数百匹はいるだろうと思われるコイの一群におびえ硬直してしまった。なぜ、ここでコイに喰われなければならないのか。しばらく悩んだあげく、おそるおそる水槽に足を入れた。ガラ先生一行は情け容赦なく足に吸い付いてきた。大量のコイの一斉攻撃を受けて失神寸前の私。しかし落ち着いて足に意識を集中してみると、微弱の電気が流れるような快感に気がついた。だんだん可愛く思えてきて「どうかおなかをこわさないで」そんな気持になっていった。ガラ先生との親密な時は過ぎ、私は自分のかかとに触れてみた。ミカンの皮のようだったかかとが赤ちゃんのおしりのようにツルンとなっていた。・・・あれから数ヶ月、かかとはミカンの皮に戻りつつある。しかしガラ先生はもういない。また会えるなら今度は水着を着て全身をお願いしたいものです。
「フィッシュ・セラピー」。けなげな良いお医者さんですね、ガラ先生は。(院長)

診療所通信の目次に戻る