診療所通信
        Clinic News Paper
No.124
2009/11/1

/                 川上診療所
 朝、私は診療所に向かう道で、通学の子供たちとすれ違います。横断歩道では黄色い旗を持った地域の方々が毎朝「おはよう!」と子供たちに声をかけています。ミドリのおばさんとは今は言わないのかも知れないけれど、忘れ物をしてしゃくり上げる女の子に「大丈夫、取ってらっしゃい」と励ましています。よーし今日もがんばるぞ、中年おやじの私までうれしくなってしまいました。私のこの診療所にも子供たちは来ます。病院なんか好きじゃないから、注射は怖いし、嫌々来るのです。ある日、ガッシリした青年が診察室に入って来て、誰かと思ったら、かつての腕白小僧がすっかり大きくなって、私は「ひさしぶりだね。今日はどうしたの」とまじまじと眺めてしまうのでした。はにかむ口元には、あの少年の日の面立ちが残っています。「これで大丈夫。何かあったらまたおいで」と送り出しました。こういうのって大病院では味わえない開業医の喜びの一つ、ですね。
学会のためとは言え今月は休診が多くて申し訳ありません。

主ながんの死亡数・・・・右の表は平成20年の女性の主ながん死亡数を示したものです(厚労省資料)。胃がんや大腸がん、肝臓がんや肺がんの死亡数は女性でも多いようです。子宮がんと卵巣がんの死亡数は、比較的に少ないように思います。膵臓がんはかかる人が少ない割には死亡数が多い、つまり治りにくいがんと言うことになります。一方、乳がんはかかる人がたいへん多い割に死亡数が少なく、治療効果のあるがんと言えます。また、定期的に検診を受ける意義も最もあるものと思われます。

若手医師からのご挨拶・・・・皆様はじめまして、今年の4月から第4週の土曜の外来を担当している藤森俊彦と申します。専門は乳腺外科。医師になって8年目のまだまだひよっこ医師ですが、精進して患者さんにより良い医療を提供したいと思っています。趣味はゴルフで、4年前に当時の上司に強要されて始めましたが、今ではすっかりはまってしまいました。先日、石川遼君が参加した試合では、アメリカチームと世界選抜チームが乳がん撲滅のピンクリボンを帽子に付けていました。また今年の5月、フィルミケルソン選手が愛妻の乳がんの手術のために試合を欠場したときは、全選手がピンクリボンを付けてプレーしたそうです。日本でも10月はピンクリボン月間ということで、東京タワーがピンクにライトアップされたりしました。社会的に影響力のあるプロスポーツでもそのような活動があったら、とスポーツファンとして思いました。
私はゴルフをやりませんが、研究もナイスショットして下さいね。(院長)

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