診療所通信
        Clinic News Paper
No.123
2009/10/1

/                 川上診療所
 この診療所には、若い先生方が私の手助けに来てくれています。「若い」と言っても30代後半(?)のようですが・・・。医学部を卒業し、医師国家試験に合格し、複数の病院で実践を数年間にわたり担い、乳がん専門医としての力をいよいよ深めていく時期の若手医師たちです。院長である私もかつてそういう時期がありました。心細く、でも夢は大きく、求める医療に向かって努力する、そんな時期です。しかし悲しいかな実力が伴わず、言葉が足りず、今思い返しても恥じ入ることだらけでした。それでも叱咤激励して下さった患者さんや仲間たちがいてくれたからこそ、今もこうしてがんばれるんだなぁとつくずく思います。結局、医者を育てるのは、組織や行政ではなく、なまみの人間、つまり患者なのだと思います。この若手医師の中の誰かがきっと、「がんを治す方法を見つけました」と私に語ってくれる日が来ることを楽しみにしています。
スポーツの秋。老いも若きも、医者も患者も、自分にふさわしい運動をしましょうね。

乳がんは増えている・・・・右のグラフは主ながんの罹患率の推移を示したものです(女性:1975〜2003年 国立がんセンターがん対策情報センターの資料)。15年ほど前から乳がんが一番多くなり、現在も増え続けていることが分かります。乳がんと大腸がんの予防には、肥満に注意することが大切だと言われています。また早期発見には、やはり定期的な検診が重要だと思います。

受け付けの安川です・・・・私の息子は、「火の用心・火事の元」を「つまようじ・家事の元」と思いこんでいます。「思い違い」は、よくある話。ある時、ホテルに身内で食事に行きました。ホテルの入り口に「大賀ハス」の看板が見えました。大賀ハスがあるなんて、なんと気の利いたホテルなんだろう!と大感激した私たちは、食事のあとにハスを見に行こうと決めました。食事中も、姉は「学生の時クラスに大賀君がいて、大賀博士の孫だと思う」と語りだしました。大賀ハスへの期待は最高潮に!食事もそこそこ、子供たちは大賀ハスを見にロビーを飛び出しました。しかし次の瞬間、娘の大声が。「ママ〜。大賀ハスはないけど、大型バスならあるよ〜!」。周りの人たちは大爆笑。私は「大賀ハス」と「大型バス」を見間違えてしまったのです。また何週間後、しゃぶしゃぶ店に行った時です。肉も野菜も思いっきり楽しんだあと、残りのダシで、うどんにしようか、おじやを作ろうか考えていると娘が一言。「私、おやじが好き!」。気恥ずかしさにテーブルの下に隠れた息子を、娘は得意そうな顔で眺めていました。
笑いと愛情にあふれた家族は、きっと健康にも恵まれることでしょう。(院長)

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