診療所通信
        Clinic News Paper
No.119
2009/6/1

/                 川上診療所
 先日、久しぶりに宮内副院長と2人でドライブに行きました。風を感じながら箱根を走る楽しさを再確認したのは良いのですが、後日、クルマが壊れてしまいました。ボクは徒歩または自転車通勤なので、普段はクルマに乗りません。滅多に乗らない古いクルマには、あの坂道がきつかったのでしょう、きっと・・・。早速、車屋さんに連絡すると、自分で直してみてはどうでしょうか、ダメならいつでも持ってきて下さい、という返事。細かに教えてくれた手順通り、がんばって修理してみました。いわゆるDIYですね。数日後、こんな苦労するなら部品を取り替えた方が早いんじゃないかなぁ、とくじけつつ再度電話しますと、新品に換えれば良くなるとは限りません、がんばって下さい、と含蓄たっぷりに激励されました。「そうか、そうだよな、ボクは医者だよ。なおさなきゃ・・・」。そして治りました。おかげでそのあたりの構造にたいへん詳しくなりました。憎らしいことに副院長は「できの悪い子ほど可愛いって言うじゃないですか?」としたり顔なんですよ。
機械も人間も新しければ良いっていうものではない、ですね。

がん検診の実施状況・・・・厚生労働省が発表したがん検診の受診状況です(平成19年度の国民生活基礎調査)。子宮がん検診では、40才以下の若年層と、40才以上とでは、受診率に差がありませんでした。しかしそれ以外の検診では、若年者の受診率は半分以下でした。これは男性でも同じ傾向を示しました。千葉市では30才から乳がん検診が開始されます。歯みがきのように、若い時から検診の習慣を身につけることは、健康管理に有効と思います。

受け付けの安川です・・・・小雨の降る中で信号待ちをしていたら、急に雨脚が早くなってきました。目の前には70才くらいの女性が傘もなく濡れて立っています。私は自分の傘を貸そうかと思いましたが、恥ずかしい気持ちと拒絶されたらどうしようという不安から、行動に移すことができませんでした。すると近くの女性が「一緒にどうぞ」と自分の傘を差し出しました。2人は頭だけ傘に入り、かばい合いながら信号を渡って行きました。また別のある日の事、スーパーの前で車椅子の女性が段差を超えられずに困っていました。この時もまた私は何もできずにいました。すると女の子が「車椅子を押しますね」と声をかけ、ゆっくりと車椅子を押しました。私は安心したのと同時にとても後悔しました。あの雨の日も今回もやるべき事が分かっていたのに、私には実行する勇気がなかったのです。傘を差し出した女性も女の子も、心の中に思いやりと勇気という大きなダイヤモンドを持っていて輝いている・・・。そして昨日、夜中に何か気配を感じて目が覚めました。よく見ると、寝相が悪い私の体に毛布を巻き付けている息子の姿が見えました。私は息子にダイヤモンドの原石を感じました。そんな息子から勇気をもらい「私も輝くぞ」と思いを新たに、今朝を迎えました。
心優しい人はいるものですね。もちろん安川さんも、です。(院長)

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