診療所通信
        Clinic News Paper
No.116
2009/3/1

/                 川上診療所
 いかに生きるか、について語られた書物はたくさんありますが、いつも右肩上がり、なんていうのはマユツバですよね。そう、「いつも前向きに」だけが良いとは限りません。よそ見をしたり、後もどりしたり、落ち込んだり、人生とはそういうものですね。大病を患った人や苦労をちゃんと受け止めている人には、すぐに理解できることだと思います。医者も長くやっていると、そうだろうなという想像くらいはできるようになるものです。宮尾先生が、タンザニアから帰ってきて、またいつもの日本での臨床医の生活に戻りました。佐貫先生も先月はネパールに行ってきました。国際貢献というと、つい気負いがちになりそうですが、彼らの話しを聞いていると、その自然体なたたずまいに、私は、大きな安堵感を覚えます。「千の風になって」という歌がありましたね。詩の終わりの方に「・・・あの大きな空を、吹き渡っています」と歌われる部分が、なんとも心地よく響きます。そろそろそういう季節になってきました。
 蛇足ながら、息子は学業成就の途につくことができました。

40歳以上の受診率
  男性 女性
胃がん検診 32.5% 25.3%
肺がん検診 25.7% 21.1%
子宮がん検診   21.7%
乳がん検診   20.3%
大腸がん検診 27.5% 22.7%
がん検診受診率・・・・厚労省の国民生活基礎調査(平成19年)から「40才以上のがん検診受診率」の表を抜粋しました(この調査は、約29万世帯を対象としたアンケート集計です)。その結果、男女とも35才以上からがん検診の受診率が高くなっていました。子宮がん検診では30代前半の受診率も比較的高く、また乳がん検診は40才代から60才代まで幅広い年齢層で高率でした。

受け付けの安川です・・・私の娘はとても「さみしがり屋」です。保育園にはじめて登園し、娘を預けて出勤しようとした時のことです。娘は、自分の出せる力の全てを使って暴れ、私にすがりついてきます。「ママ、いかないで!」と大泣きしています。私は心が張り裂けそうになり、逃げるようにその場を去りました。次の日も、また次の日も、娘は「いかないで!」と泣き叫び続けました。そんな日が1ヶ月近くも続きました。ある朝、いつも通りに娘を保育園に預けた時、泣き声が聞こえませんでした。不思議に思い振り返ると、娘は必死になって泣くのをこらえ、私のことをじっと見つめていました。そして「ママ、お仕事がんばってね。」と言いました。言った瞬間、目からは涙がこぼれてきましたが、それでも私の顔を見続けていました。私はペコリと頭を下げ、走ってその場から離れました。涙が止まりませんでした。心の中で何度も「ありがとう。」と感謝しました。そんな娘も今年で1/2成人式に(10才)をむかえました。今でも私が辛い日には、私のことをギュッと抱きしめながら、「ママ、がんばってね。」と言ってくれます。
この診療所も今年で半分成人式(10年)をむかえます。(院長)「がんばります。」

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