診療所通信
        Clinic News Paper
No.113
2008/12/1

/                 川上診療所
 年の瀬になりました。今年は社会も医療界もそして世界も、何かと気ぜわしい年だったように思います。わが診療所でのいいニュースを捜そうと思うのですが、なかなかすぐに浮かばなくて・・・、そうそう、看護師の岡田さんが産休明けで戻ってきました。元気です。乳腺科の3人の若手医師たちにも、今年、子供が誕生しそろって初めてのパパになりました。普段は研究や診療に追われて駆け回っているのですが、赤ん坊の話になると、3人ともみな穏やかな眼になるのが、何とも微笑ましいです。この子たちが成人する20年後に、僕は後期高齢者!。今から20年前は、がんは不治の病とされ本人には告知しないのが普通でした。今は制圧できたとは言えないまでも、不治の病ではなくなりました。さて20年後の日本はどうなってることでしょうか。皆さんの20年後のご健康を、いやその前に、来年が良い年であることを心からお祈り申し上げます。    
宮尾、宮内、橋本、そして私、中年4人で開いた忘年会は夢と希望の集いでした。

入院にかかる自己負担額・・・・平成19年度の社会医療診療行為別調査から、主要ながんについて、入院にかかる自己負担額を計算してみました(自己負担は3割で計算。また、保険外の差額ベッド等の費用は含みません)。乳がんについてみると、1日当たり検査・手術などを含め約3万5000円かかり、平均約17日間の入院が必要で、支払金額は約18万円と算出されます。これが高いのか安いのか、簡単には言えませんが、世界的に比較すると、自己負担額は少ない方だと思われます。

増田先生のコラム・・・そろそろ1年が終わりますね。この1年、振り返ってみると色々なことがあったのではないでしょうか。起きてしまったことは変えられませんが、起きたことをどう受け止めるかは変えられます。ある本に、自分の潜在意識が環境や相手に入り込むと書いてありました。つまり「こんな風になると嫌だなあ」と過度に心配すると、そういう状態を引き寄せてしまう、マイナスな発想がマイナスの事象を引き寄せてしまうというんです。ある精神科の先生は、親に辛くあたられたと悩む人をセラピーする際に、親に催眠療法をすることがあるそうです。親に「あなたはダメだから」と言われて育ち、自分に自信が持てず不安な人。私はダメだからという自分への過度な不安が、親にそのような言動をさせてしまっている。しかし親は自分の意志で言った言葉ではないので、退行催眠療法しても言った記憶はありません。マイナスな思いがマイナス事象を引き起こしたわけです。人は頑張れば報われると思いがちで、ついつい苦しい考えや道の方を選ぶことがあります。でも、楽しく越えても苦しく越えても、越える山は同じ。ならばプラス思考でプラスを引き寄せ、楽しく人生の山を越えたいですね。
増田祐有子先生のコラムには院長もいつも感心させられます。来年もよろしく!

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