診療所通信
        Clinic News Paper
No.109
2008/8/1

/                 川上診療所
 今年の夏は暑いですね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。人それぞれ食事や運動を考慮して、自分のペースを崩さないように健康管理をして下さい。ボクは言えば相変わらずですが、お盆休みを利用して和歌山の友人を訪ねる計画を立てました。彼は中学時代からの親友で、体調を崩したという連絡をもらって、ならば元気づけ(られ?)に行ってみようかと思い立った次第です。行くのは、考えてみると30年ぶり。月日は本当にあっという間に過ぎてしまうもののようで、いつでもできると思っていると現実はそうではなく、仕残したことばかりが頭に浮かびます。 後輩の若手医師たちが、浴衣を着て花火大会を見に行きましょう、と誘ってくれました。白衣の着こなしもおぼつかないのに、浴衣なんか着られるのか、と若者を揶揄したのはいいけれど、ところでボクは浴衣を持っていたのかしらん…? さてこの夏、老いも若きも、男も女も、病んでる人も元気な人も、みんな慈しみ合って過ごしましょうね。
8月11日(月)から16日(土)まで休診とさせて頂きます。よろしくお願い申し上げます。

身体活動量 ハザード比
男性 女性
最小群
第2群 0.93
第3群 0.96 0.84
最大群 0.87 0.84

運動量とがん・・・厚労省が45〜74歳の男女約8万人を対象に行った調査によると、男女とも身体活動量が多い人ほど、がんにかかるリスクが低いという結果でした。右の表は、身体活動量の多さを4群に分け、各群のリスクを示したものです。最大群ではがん罹患リスクが、男性は0.87、女性は0.84になっていて、運動量が多い人ほどがんに罹りにくい傾向がありました。しかしながら、研究班は『中等度の運動は、抗酸化物質の損失を抑制する一方、激しい運動は活性酸素やフリーラジカルを増加させ、DNAを損傷させる』とも言っています。激しい運動ではなく、個人個人に合った適度な運動が身体には良いということですね。

増田先生のコラム・・・私が初めてゲームをしたころは、失敗してしまったら終了、また最初からやり直しでした。その後、メモリーにデーターを残しておけば、失敗する前からやり直しが何度でもできるようになりました。『あったらいいな』と思っていたものが現実となり、とても嬉しかったものです。けれど、こんな便利な社会に育った子供達は、我慢することや失敗することに耐えていけるのかしらと思います。失敗してしまったとき、やり直しができない辛さや悔しさを知っているからこそ、私達は一生懸命に頑張ろうと思うんではないでしょうか。海外でクローンペットが販売されていますが、死んだら会えないはずのペットにすら再会が可能になりました。しかも、遺伝子は同じでも、育つ過程は同じではないために性格が違ってしまったことに対して訴訟が起きているという時代です。ペットを失ったとき、もっと可愛がればよかったと後悔して学ぶか、「ママ、クローンペットを買って」とせがむか…。時間は常に進んでいて、止まることも後戻りもできないからこそ、小さなことから多くを学び、少しでも悔いのないように生きていきたいです。だって、人生にはリセット機能もクローンもないんですものね。
ボクの中では「忘却の機能」だけが年々強まっている気がしますが…(院長)

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