診療所通信
        Clinic News Paper
No.106
2008/5/1

/                 川上診療所
 ゴールデンウィークはいかが過ごされましたか? この季節は陽が長く、夕方まで明るく暖かくて、「何かカラダに良いことをしたいな」という気分になるのですが、いかがでしょう。ボクは自分の健康管理のため(というか趣味で)徒歩または自転車で通勤しています。片道約4km。先日、気分がよいので帰り道に海辺まで足を延ばし、がんばるのは性に合わないくせに、砂浜をジョギングしてしまいました。で翌日までは大丈夫だったのですが、その後、ひざが痛くなり、階段の上り下りが怖いので、しょうがないから痛み止めを飲んだら、胃腸の具合まで悪くなってしまって、天気がいいのに外に出る気力もうせて、家人に八つ当たりする・・・という情けないサイクルにはまってしまいました。医者のくせに、です。「足腰の具合が悪いなら、上半身だけでも運動しましょう!」と患者さんに日ごろ言っていますが、何とむなしい言いぐさだろう。それができれば医者はいらないよ…。そして5月、おかげさまで今は痛みもなくなりました。が、性懲りもなくまた挑戦してみようと思ったりする今日このごろです。
加齢や病気がどういうものか、それを理解するのは理屈じゃないですね。

健診結果への対応・・・・ 厚生労働省が行った平成17年中高年者縦断調査から、健診を受けた結果の対応について表にしました。治療が必要とされた人の10%以上、指導を受けることが必要とされた人の42%以上、再検査や精密検査が必要とされた人の34%の人が、その後、何もしていないという結果でした。これでは健診を受ける意味が半減してしまいますね。

宮内先生の辛口コラム・・・・4月から始まった後期高齢者(長寿)医療制度がどうも不評である。はたしてどんなものかと医療広域連合の作成したパンフレットを読んでみたが、細かい字でたくさん書いてあり、何が重要なのかがさっぱりわからない。お年寄りにしてみれば、これで自分の支払う保険料が正確に計算でき安心して病院にかかれるとは到底思うまい。なぜお役所の仕事はいつもこうなんだろうか?ユーザーフレンドリーでない、つまり全く使う側に立ってはいない。医者はもっとやさしい言葉で患者さんに話をしろ・・・医療改革の旗印に、真っ先に「わかり易いインフォームドコンセント」が要求された。医学の素人である患者さんにとってはその要求は当然であろう。今はやりの「チーム医療」や「病院-診療所連携」も、大病院で患者さんが増えて困るから仕事分担をしたい、という病院側の都合に過ぎず、決して患者さん側の視点から出たアイデアではない。医療に関わる仕事は、施す側でなく受ける側の立場に立って行なわねば何の意味もない。医療の主語はあくまでも、「患者さん、診療を受ける側」のはずなのだが・・・。
いつもながら切れ味の良い宮内先生のご意見。同感です。(院長)

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