診療所通信
        Clinic News Paper
No.103
2008/2/1

/                 川上診療所
 寒いこの時期は、あちこち身体が硬くなって肩こりやら腰痛やらで、私の自転車通勤も滞りがちです。そのかわり、歩く。歩くといってもウォーキングやトレッキングみたいな立派なものではありません。晴れた日に皇居1周散歩に出かけたりする程度です。先日は、お茶の水から上野あたりまで足を延ばしました。神田の古本屋さん楽器屋さんでは、もう気分は学生時代に戻ってしまって、「まだあったんだ、この店!」という感じ。どんどん脱線して行って、神田明神では顔くり抜き平次親分と写真まで撮っちゃいました。湯島での学業成就のご祈願はばっちり忘れませんでした。宮内先生、鈴木先生たちのお子さんが受験だったもので…。アメ横には摩利支天のお寺があります。ご利益は「気力と体力」だそうで、私としては他人事ではない分野?ですので、長めのお参りと相成りました。そんなこんなで、帰りは腰や膝はガタガタ。翌日もつらかったのですが、しかし「もう歩くのやめた」ではなく「もっと行けるように体力をつくろう!」と誓いました。これはご利益?
皆さんもご自分の健康法で、この冬を乗り切って下さいね。

乳がん検診の方法・・・・最近はテレビでも乳がんについて放送されることが多くなりました。どうやって見つけるの? ということですが…、まず「自己検診」。よくわからないという人も案外多いようです。怖がらず「いつもと同じかどうか」ということに留意して自分でやってみましょう。勿論、触診だけでは十分とは言えませんので「マンモグラフィ」(乳房のX線撮影)を撮ります。これは世界の多くの国で行われている信頼性の高い検査法です。「超音波(エコー)検査」は、妊婦さんでも受けられる痛みが少なくてかつ正確な検査方法です。ここまでが乳がん検診の基本的な検査ですが、細胞や病理検査が必要な場合は、「細胞診」「針生検」「マンモトーム」などの専門的な検査が行われます。CTやPETなどの検査は乳がん検診では行わず、がんの広がりを調べるときに追加される検査です。乳がんの診断は、外からしこりを触れるから簡単だというものではなくて、専門医によるこのような検査が組み合わされて行われます。
乳がん検診は1年に1回を基準にして受けましょう。

増田先生のメッセージ・・・・私達の日常で「愛してる」といった台詞が簡単に使われているように思います。けれど、この動詞の意味について考えることはあまりないですよね。以前、愛することは意志だと言われました。「好き」というのは感情で、嫌いになってしまうこともあるのですが、愛するというのは意志で、気分や感情に左右されず、例え相手に嫌なことをされたとしても、変わらずに愛していくことであるというのです。若い頃、出会った頃のドキドキがなくなってしまうのは愛し方が足りないと思っていました。自分が大人になった今は、出会った頃の気持ちのままはありえないと思いますし、学術上も、会った頃のドキドキは通常長くて2年までだそうです。ドキドキが消えた後、こんなものだと諦めて過ごしますか? それとも、この人を愛していくという意志を持ち、関係を育てて過ごしますか? 愛は男女間だけにあるのではありません。子供を見捨ててしまうのは子供が悪いから? 離婚は相手が悪いから? 現代社会、私達は愛することがうまくできていないのかもしれません。相手の出方ではなく、自分が愛して歩みよることで人間関係のメンテナンスをしませんか? 新品とは違う、手放せない何かが育つかもしれません。
増田祐有子先生のエッセイはいつも素敵ですね…。(院長)

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