診療所通信
        Clinic News Paper
No.9
2000/4/4

/              川上診療所
 モナ・リザの微笑み。以前はあまり好きではなかったのですが、だんだんすごいなあと思うようになってきました。やはり「模写から創造」のダヴィンチなのでしょうね。女性の絵ではゴヤの「マハ」とか、アングルの「オダリスク」は有名ですが、レンブラントもさすがです。愛する女性の左胸に、乳がんの所見をきっちりと描き込んでいる作品を、ご存じですか。病を悪と考えず、人を人としてありのままに見る視点、そこに『魂の画家』といわれる所以を窺い知ることができます。診療所には、本以外にも少しばかり絵や画集があります。うんと待たされたとき(?)など、どうぞ眺めてみて下さい。

・診療所の役割は・・・
  私は仕事でいろいろな病院に行くのですが、その一つに東北のM医院があります。山形県鶴岡市。東に出羽三山、西は日本海(水平線に沈む夕日は必見!)に囲まれた穏やかなところです。ここの事務長さんからよく手紙を頂くので、今日はその一文を紹介しましょう。『医院にいますと患者さんからいろんな相談があります。その一つに、息子に嫁さんをというのがあります。先日も職員の○○さんを嫁にほしい、というお年寄りが来ました。すでに結婚して高校生の息子がいることを教えましたが、この患者さん少し物忘れが進んだのか、よほどご執心なのか、その後また同じことを頼みに来ました。私も同じことをお話しして、丁重にお引き取り頂きました。以前は床屋と銭湯が、この種の情報交換の場でしたが、今はお年寄りにとって医院がそれに代わる所となっているようです。このような相談事にちゃんと答えることも大事と思い、ささやかながら相談窓口を開いております。』いかがでしょうか。山形の旅情溢れるのどかな温泉場にでも、行ってみたくなりませんか。               

・脳は2つに分かれている・・・
 ヒトの脳は右脳と左脳とに分かれているのはご存じですね。左は思考や状況にあった行動など、人間の特徴ともいえる「考える」脳、右は芸術的なセンスや感覚を司っている脳、といわれています。右脳を活性化させるには、いろんなものを見て感じる、絵だったり景色だったり、ということが良いようです。北海道の釧路、見渡す限りの湿原に生息する植物はのびのびと育っていて、そんな故郷の風景を見ていると、自分の存在は小さいなと実感させられます。それでも一生懸命生きることに小さな意味があるんじゃないか、と思うと勇気が湧いて来たりします。小さな日本にも素敵な風景がたくさん詰まっていて、刺激をいっぱいに受けるのは、右脳にも、ついでに左脳にもいいんじゃないでしょうか。
山部幹子(看護婦)
ここで働き始めて元気になった子狸です。
NEWS:「婦人科相談外来」を開設いたしました。詳しくは受付にお問い合わせ下さい。

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