サイドメモ どの色素をどこに注入すればよいのか
 現在,センチネルリンパ節生検に利用されている色素は,欧米ではイソサルファンブルーやパテントブルーが有用であるとされているが,国内ではメチレンブルー,ピオクタニン,インジゴカルミンしか入手できない.どの色素でも手技のトレーニングによってそれなりの成績を期待できるはずであるが,どうやらインジゴカルミンがもっとも有用な色素であるとの声が多い.また,色素の注入部位も,腫瘍周辺の乳腺実質組織のなかに注入する方法と,腫瘍直上の皮下脂肪組織に注入する方法とについて賛否両論がある.しかし,Linehan らによれば,皮下乳腺組織と乳腺内実質との注入部位の比較をすると,どうやら皮下の脂肪組織内に数箇所に分けて注入することがより簡便で確実であるらしい4),当センターでも注入は皮下脂肪組織内だけにしか行っていないが,同定率や成績からすれば妥当な方法である.