2022年7月23日(土)第20回ももはな会を開催しました。
今回は『乳がん治療・検査のアップデート』について椎名先生が講演下さいました。参加者は総勢31名、専門的で難しい内容でしたが、まずは自身がどのタイプの乳癌であるか知ること、タイプにより治療薬が異なること、新しい薬剤は効果的であるが強めな副作用が伴うことなど。薬剤により治療成績が良く、今後の適応拡大に期待したいものもありました。また、検査では遺伝子解析分野で急速な発展がみられており、再発リスクをスコア化して、化学療法治療の必要性を計ったり、遺伝子変異を把握することで今まで出来なかった治療の選択をすることが出来るようになっております。ただ、検査費用が高額であったり、保険適応になっていないものなどありますが、医療は着実に進歩しているようです。
講演会後は茶話会を開催し、今回の講演後の感想など、皆さんから率直なご意見を頂きました。時間が延長してしまいましたが、とても貴重な声を伺うことが出来ました。今後に活かして参りたいと思います。ご参加いただき、ありがとうございました。

〔講演内容〕
最新の乳がん診療
各種療法・効果・副作用
免疫チェックポイント阻害剤・効果
免疫関連有害事象(irAE)とは
各種遺伝子検査
事前質問@A
ホルモン感受性や
HER2検査結果、
また、治療の時期で
治療薬剤が
異なるんですね
HER2乳がんは
術前化学療法が今後
多くなるようです。
但し、早期癌は手術
先行をすすめることもあります。
ホルモン受容体(+)の
再発リスクの高い方には
ベージニオを追加できます
エンハーツ療法では
2ndラインのカドサイラ
療法の治療結果を上回る
良い結果が出ており、
今後の適応拡大が
期待されています
キイトルーダによる
治療は準備が整い、
当院でも開始しました
間質性肺炎は他剤でも副作用として報告されていますね。
末梢性ニューロパチー“しびれ“です
免疫チェックポイント阻害剤の治療では
様々なirAEの症状が
出現するのですね
上記、左側グレー枠は
抗癌剤の上乗せ効果が認められず
“化学療法の必要性が低い“と結果が出ました
今後は抗癌剤治療を選択するための重要な
ツールとして期待されますが、
2022年7月23日時点、まだ保険収載されておりません
保険診療で行えるがんゲノムプロファイリング検査
(CGP検査)は現在、
「FoundationOne R CDxがんゲノムプロファイル」「FoundationOne Liquid CDxがんゲノムプロファイル」「OncoGuide NCCオンコパネルシステム」の
3種類です。
また、保険診療によるCGP検査を受けるには国が指定した医療機関のみ実施可能です
家族由来の異常も判明するため、血縁者にも影響が及ぶ
ことがあり、検査前に遺伝
カウンセリングが必要です。
また、検査を施行しても治療に結びつく方は1-2割程度と言われています
2022/8/5
ももはな会事務局


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