ももはな会員の皆様へ            ももはな会代表 椎名伸充

 新型コロナウイス感染症の拡大のため千葉県は緊急事態宣言が発令され、私たちはかつて経験したことのない状況に直面しております。ももはな会会員の皆様はいかがお過ごしでしょうか。様々な情報が錯そうする中でとても不安があるかと思います。
 コロナウイルスの特徴は発症2日前から知らずに次の人へと感染する可能性があることです。知らずに大切な人に感染させるかもしれない怖さが今回のウイルスにはあります。
 しかし私たちには感染を拡げないためにできることがあります。ウイルスの感染経路は@飛沫感染(くしゃみ、咳、つばなどに含まれるウイルスを口や鼻から吸い込むこと)とA接触感染(ウイルスに触れた手指で目や鼻や口を触わるなど)といわれます。
 いわゆる3密といわれ「密閉」「密集」「密接」を避けることでウイルスを吸い込む可能性を減らすことができます。こまめに換気をし、人混みを避け、人と接するときもマスクをして少なくとも1m以上の距離を保ち15分以上会話するなどは避けましょう。
 こまめにしっかりとした手洗いすることで接触感染を防げます。また手で目、鼻、口などを触らないようにしましょう。
 以上が新型コロナウイルス感染症の予防対策の基本です。他にも色々な対策が言われておりますが、まずはこの基本を抑えれば心配ありません。他に心配なことがあれば私たちにご相談ください。
 井上記念病院では現在のところ乳がんはじめがんの治療は手術、検査ともに継続できております。薬剤などの供給も問題ありません。定期診察の方は電話診察を行い、接触を避けることもできますのでご相談ください。
 世の中は誰かのせいにしたくなるような記事やコメントであふれています。また一部では心ない差別が行われておりとても悲しいことであります。私はウイルスのせいで人がお互いを憎しみ、蔑み合うのはとても残念に思います。
 こうして家にいながらも食べ物や水があり、情報が伝わり、物が届きます。今この瞬間も社会を維持するためにウイルスの危険にさらされながらも働き続けているあらゆる職種の方がいます。働き方や生活を変えざるを得なくなった方も、学校に行けなくなった子供たちも様々な工夫でこの時を乗り切ろうとしています。私は感謝と協力する気持ちが次の新しい社会を作るのではないかと信じています。
 ももはな会ではこのような時でも温かい気持ちになるようなエピソードや生活の工夫を募集します。そしてHPで会員の皆様と共有できたら幸せです。新しいももはな会の形も模索中です。それでは皆様、ご家族とともにどうかお身体をご自愛ください、そしてまた皆様とももはな会にて再会できることを楽しみにしております。

令和2年5月4日

 ももはな会の皆さんに向けて………川上義弘

今はコロナ感染症のために、世の中が動揺しているように思います。
私の診療所では、検診に来る方も症状ある方も不安が強いようです。
検診どころではない、と思う方もいるでしょう。
しかしコロナが有ろうが無かろうが、病気は普通にあります。
糖尿病も高血圧もガンも、患者さんは今日も治療を続けています。
こんな時は、落ち着いて主治医と一緒に、病気と向き合うことが大切です。

現在、千葉大学病院など多くの専門病院では、手術が困難な状態です。
放射線治療も抗がん剤治療もできない施設が多い。
医師や看護師が、さらに多くのスタッフが、感染症に労力を裂かれている。
ICUも病室も多くの制限があって、十分に稼動できない状態です。
如何ともしがたい、残念なことです。

一方、乳がんの専門医たちは、乳がんの特性をよく理解しています。
あなたの主治医は、あなた個人の状態をよく知っているでしょう。
治療の組み立て方について、すぐやるべきか待てるものかも分かっています。
あなたに不利益な治療をすることはない。
一般に抗がん剤は、白血球が減少して免疫力を低下させるため、
この時期は不向きです。したがって延期が望ましい。
ホルモン剤は白血球に対する悪影響はないので、続行が望ましいです。
放射線治療は、部位と線量によって異なりますので、ケースバイケースです。
繰り返しますが、主治医はあなたに不利益な治療をすることはないです。

食事は普段どおり、いつものように摂りましょう。
カロリーの摂り過ぎに注意、運動不足に注意、いつも言っていることです。
過度の自制は心身に好ましくありませんね。
出来るだけ普段やっていることをいつものようにして過ごしましょう。
熱が出たり、体調が悪ければ、主治医に連絡しましょう。
川上、横溝(川上診療所)、椎名(井上病院乳腺科)は、対応します。

あせらずに、孤立せずに、穏やかに過ごせるといいですね。
落ち着いたら、またみんなで会いましょう。
そう遠くない時期に、ももはな会が開けますように。
皆さんが元気に過ごしていることを、私は心に思い描いています。
病気なんかに負けないぞ!って。
令和2年5月2日